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日本代表 7年前

本田圭佑は“ポスト長谷部”に。敵地UAEで主将不在も…黒子も務まる精神的支柱の役割

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「本田は自己主張の強い」と考えられがちだが…

ハリルホジッチ
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 慎重なハリルホジッチ監督であればリスクは取りたくないと考えるはず。同じ右サイドアタッカーのポジションにベルギーで7戦5発と爆発中の久保がいるだけに、23歳の若武者を抜擢するのが順当だ。

 その場合、本田は昨年11月のサウジアラビア戦(埼玉)同様、ベンチスタートを強いられることになる。「自己主張の強い本田が控えに回るとチームの雰囲気が壊れる」と考えられがちだが、実際の彼は黒子に回って周囲を支えることもできる人間だ。オフ・ザ・ピッチのところでは、新しい選手が入ってくれば意識的に話しかけたり、食事会の場で自らが料理を取り分けたりと、気の利いた立ち振る舞いをしているという。

 歯に衣着せぬ発言で知られる小林祐希(ヘーレンフェーン)が代表デビューして「本田二世」と騒がれた時も「大きな目で見守ってください」と気配りを見せていた。かつて中村憲剛(川崎)ら年長者がやってくれたことを、本田は決して忘れていないはずだ。

「(監督が自分を呼んだ理由が)精神的なものって言うのなら、いくらでも役に立つ。状況が状況であるほど役に立つと自覚してるんで、それは間違いない。UAEに勝ってワールドカップに行くことが一番の目標ですから、そのために自分に何ができるのかを1選手として、チームのリーダーとして考えていきたい」と彼自身も今の自分の役割をよく分かっているようだ。

 もちろん出場機会が全くないとは限らないので、ピッチに立ったら予選トップスコアラーとして得点を貪欲に狙う必要がある。だが、今回の本田に何よりも強く求められるのは、長谷部の不在チームをメンタル的にしっかりと支えること。それしかない。

(取材・文:元川悦子【アル・アイン】)

【了】

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