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ルーニー、「妥当」な代表落選。ロシア行きも困難に。母国でも“元至宝”再招集の声は聞こえず

text by 山中忍 photo by Getty Images

マンUでも「必要不可欠」とされず…“10番”のポジションには3人の若手

ルーニー
ルーニーは所属のマンチェスター・ユナイテッドでも「必要不可欠」ではなくなっている【写真:Getty Images】

 今季のルーニーは、もはやマンチェスター・ユナイテッドでも「必要不可欠」ではない。ベンチスタートが増えたプレミアリーグ戦では、2ゴール5アシストという寂しい数字で3月を迎えていた。今月4日のボーンマス戦(1-1)が2ヶ月半ぶりのリーグ戦先発だった。

 逆に2013年以来の代表復帰が叶ったサンダーランドのジャーメイン・デフォーは、年齢は34歳とルーニーより上だが、15得点の昨季に続いて今季もリーグ戦28試合出場で14得点を挙げていた。昨季から代表に定着しているジェイミー・ヴァーディーも30歳だが、遅咲きのレスターFWは2月後半の監督交代を機に復調の兆しを見せるチームで、タイミング良く自身の調子も上げていた。

 加えて、昨年11月末に暫定から正監督へと昇格したサウスゲートは、ベテランと化したルーニーの基本的な使い道を「ナンバー10」に限定する発言をしている。これ自体は当人も望むところだろうが、トップ下のチーム内競争はCFのそれよりも激しく、かつルーニーには不利だ。

 現在、国民が最も期待を寄せる「代表10番」の第1候補は、20歳の若さにしてトッテナムでレギュラーを張るデレ・アリ。クラブで合わせて今季41ゴール9アシストという23歳の代表CFハリー・ケインとの縦のコンビは、復興への指揮を執るサウスゲートにとっても魅力的だ。

 新監督は、11月の代表戦でアダム・ララーナのプレーメイカー起用も試している。28歳と今が旬のララーナは、リバプールの「新キーマン」と呼ばれるまでに存在感を増してきた。

 更には、23歳のロス・バークリーが今季のエバートンで伸び悩み脱出の兆しを見せてもいる。メディアを含む国民の関心は、代表の2列目にルーニーが入り込む余地ではなく、20代の3名が代表のピッチで共存する可能性に向けられている。

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