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日本代表 7年前

本田圭佑に居場所はあるのか? 重なる中村俊輔の姿。30歳で代表キャリアの岐路に

text by 元川悦子 photo by Getty Images

重なる中村俊輔の姿。7年が経過し、本田はポジションを奪われる立場に

中村俊輔
2010年南アW杯では本田に出番を取られた中村俊輔【写真:Getty Images】

 本田の現状は、2010年南アフリカワールドカップ直前にスタメン落ちしたかつてのナンバー10・中村俊輔(磐田)と重なって映るところがある。31歳だった当時の俊輔も2009年夏に移籍したエスパニョールで出番を失い、試合勘の不足が懸念されていた。

 南アを代表キャリアの集大成と位置づけていた彼は危機感を募らせ、2010年春に古巣の横浜F・マリノス復帰を決断。そこから遅れを取り戻すようにワールドカップまでケガを押して試合に出続けたが、結果的にそれもマイナスに作用した。

 岡田武史監督(当時)が戦い方を変えたことも災いし、ポジションもなくなった。本田はその先輩に取って代わるように1トップとしてチームをけん引し、ベスト16入りの立役者となったのだ。

 あれから7年の月日が経過し、エースに君臨してきた30歳の本田は23歳の久保に定位置を奪われ、居場所がなくなりつつある。「今、(代表で試合に)出れてない現状はやはり自分がチームで出れてないことが1つの要因。この状況を打開する場がないので、『本田は一体どういうプレーをするのか』っていうことがみんな分からない。そこだけだと思う」と本田自身もミランでの苦境が代表での地位低下につながっていると認めている。

 最悪の事態を回避しようと思うなら、かつての俊輔、あるいは今年2月に古巣・セレッソ大阪に戻った清武弘嗣のような選択をすべきだったのだろうが、本田は1月の移籍ではなく、契約満了の夏まで残留することを選んだ。

 聡明な彼の頭の中では“3月と6月の代表シリーズはある程度、仕方ないが、夏に新天地へ赴いてから一気に巻き返せば、ロシアは十分間に合う”という計算がどこかにあるのかもしれない。

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