FC東京・廣末陸への期待感。元代表守護神・川口能活の目に映った選手権優勝GKの資質

2017年03月31日(Fri)12時14分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「能活さんに負けないように頑張っていきたい」(廣末)

 小学生時代はフォワードで、PK戦のときにゴールマウスに立っていたという廣末も、青森山田での3年間でキックに磨きをかけてきた。

「そこ(キック)が自分の持ち味でもあるし、波多野選手との違いでもあると思っているので。そういう違いというものを、少しでも出せたらという思いでやっていました」

 こう語る廣末は、依然として笑顔を絶やさない。実は取材エリアに姿を現す直前に、関係者の計らいで川口と対面していた。もちろん、憧れのレジェンドと顔を会わせるのは初めて。短い時間だったが、かけがえのない瞬間となった。

「細かい部分というよりは、プロの世界の厳しさというところを教えていただいて。最後には『頑張れよ』という言葉をいただいたので、能活さんに負けないように頑張っていきたい」

 鹿児島ユナイテッドを江東区夢の島競技場に迎える次節からは、身長が196センチにまで伸びた波多野が復帰する。5月に韓国でU‐20ワールドカップを控えるU‐20代表チームにおいては、AFCアジア選手権を制して出場権を獲得した昨秋の段階では廣末が名前を連ねていた。

 今回のドイツ遠征では波多野と、フランスリーグ1部のFCロリアンに所属する山口が招集されている。プロの世界での第一歩を踏み出したいま、廣末のなかで新たなる勝負へのゴングが鳴らされた。

「いざ一回立ってみると、またこういう場所でプレーしたいと思いますよね。そのためには常日頃から努力を続けて、次の目標へ向けて一歩一歩やっていきたい。ここが僕のゴールではないので」

 倍以上も年が離れた川口からかけられた「頑張れよ」には、高校選手権優勝キーパーの後輩に託した、所属チームの垣根を越えた幾重もの熱い想いが込められていたはずだ。憧れ続けてきたレジェンドからの檄を力とモチベーションに変えて、廣末が成長への階段を再び駆け上がる。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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