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Jリーグ 7年前

浦和・西川周作が抱く「数字」へのこだわり。代表正GK奪還へ、レッズで高める存在感

text by 藤江直人 photo by Getty Images

3月の代表戦で先発起用されたのは川島永嗣

ヴァイッド・ハリルホジッチ
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督の目にも、西川のパフォーマンスは不十分に映っていたのだろう。ワールドカップ・アジア最終予選に臨む代表メンバー発表の席で、こう言及している。

「西川はトップコンディションにもっていくには、まだこれからだと感じている」

 迎えた3月23日。敵地アル・アインに乗り込んだUAE(アラブ首長国連邦)代表との大一番で、ハリルホジッチ監督は所属するFCメス(フランス)で出場機会を得ていない川島永嗣を先発に指名する。

 果たして、昨年6月以来の代表戦となった34歳のベテランは、ブランクをまったく感じさせない存在感を披露。あわや同点の決定機を阻止するなど、2‐0の完封勝利に大きく貢献した。

 カンボジア代表とのアジア2次予選の第2戦から、約1年半にわたって守ってきたゴールマウスを明け渡した西川は「さすがだなと思った」と、ベンチで声をからしながら川島の姿に心を震わせていた。

「あの『ど』がつくアウェイの環境で落ち着いて、パーフェクトに近いプレーをしていた。あのメンタルの強さ、ゴール前での迫力、特に1対1で場面での体の使い方やシュートコースを消す技術は、(川島)永嗣さんにしかできないもの。僕も見習って、自分のものにしていきたいと思いました」

 舞台を埼玉スタジアムに移した3月28日のタイ代表戦でも、起用されたのは川島だった。後半終了間際に訪れたPKのピンチで鮮やかなセーブを演じ、4‐0での快勝とグループBの首位浮上に花を添えた。

 槙野、タイ代表戦から追加招集された遠藤とともに、リザーブとして仲間たちの戦いを見守った2試合。代表チーム内でもレッズの失点の多さを指摘されながらも、西川はある誓いを立てている。

「ここで変わらなきゃいけない、というかここで結果を出さないと、もう自分は代表でこのまま試合に出られなくなると思いましたし、今回は変わることのできるチャンスだと思いながら(レッズに)帰ってきました。間違いなくあの(出られない)時間は、自分にとって大きなものでしたね」

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