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川島永嗣が語る「葛藤の1年」。求めるものは「もっと先にある」と気づいた【インタビュー】

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

単純に「最後出られてよかった」、という感じではない

16/17シーズンを経て、自分が目指しているものがもっと先にあると気づいたという
16/17シーズンを経て、自分が目指しているものがもっと先にあると気づいたという【写真:Getty Images】

―――メスはどのようなクラブですか?

K 言い方は変ですけど、すごくまともなクラブ、というか、すごくファミリー的なクラブです。近年こそ落ちたり上がったりを繰り返していますけど、もともとリーグ1にずっといるクラブで、そういう意味ではプロフェッショナルの定義というのがクラブの中にある。

 フランスの中でも小さいクラブですが、その中でもプロフェッショナルな意識はしっかりありますね。

―――ではフランスリーグの印象は?

K フランスって全然ブーイングがないんですね!

 みんなは「ファンのブーイングが!」と言ってるんですが、僕は「スタンダールと比べたらこんなのブーイングじゃないよ」っていつも思うんです(笑)。

 サンテティエンヌなんて、僕たちとやったときにはひどい試合をしたのに、ブーイングが一度もなかったんですよ、90分間! ランスなんかも超ポジティブですし。スタンダールの印象で、フランスもそういう基準なのかな、と思っていたんですが、スタンダールが特別だったんですね……。

 なのでフランスリーグの印象が変わりました。でもヒロキ(酒井宏樹)は大変かもしれないですね。マルセイユは!

―――今シーズンを振り返ると、どんなシーズンだったと?

K 大事なシーズンだったなあと。出る回数は少なかったけれど……1試合にかける気持ちが半端じゃなかったですよね。代表戦も含めて。なので単純に、「最初出られなかったけど、最後出られてよかったな」と言えるようなシーズンではなかったです。

 3月の代表戦のときもどれだけ重要なゲームかわかっていたし、ここ(メス)でもそうだし、単純に「最後出られてよかった」、という感じではないですね……。

―――来季については?

K 契約があと一年あるので。一部に残れることも決まったし、ここでチャレンジできれば最高です。

(取材・文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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