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日本代表 7年前

久保・大迫・原口の3トップが秘める可能性と課題。日本の将来を担う最重要ユニットに

text by 元川悦子 photo by Getty Images

左右のバランスの重要性。「両方が仕留める形」をいかに作るか

 その優位性を原口も実感しているようだ。

「(本田)圭佑くんが右にいる時は『右で作って左で仕留める形』が多いですけど、(久保)裕也は自分で仕留めるタイプ。ガンガン前に行くんで、チームとしてのタテへの勢いが出る。(自分を含めて)両サイドから仕留めにいく感じでもいいかなと思います。

 1トップにサコくん(大迫勇也)が入る時とオカちゃん(岡崎慎司=レスター)がいる時もまた違う。サコくんはボールが収まるし、あそこでワンクッション入ると僕らも前に走りやすい。オカちゃんはより点を取ることに力を使いますね。でもタイ戦(3月=埼玉)ではオカちゃんがゴールしてチームを楽にしてくれた。どっちにしても自分の役割はあんまり変わらないと思います」と背番号8をつける男は冷静に分析していた。

 確かに本田が右に陣取った時は原口に決定機が巡ってくることが多かった。昨年9月のタイ戦(バンコク)から11月のサウジアラビア戦までの最終予選4試合連続ゴールも、本田のお膳立てによるところが少なくなかった。その後、ベルギー1部・KAAヘントに移籍し、17試合11得点という驚異的な数字を残した24歳のゴールハンター・久保が3月の2連戦から右サイドに参戦。右のゴールチャンスが格段に増えた。

 その煽りを食った形になった左の原口は得点機会が目に見えて減り、タイ戦に至ってはシュート数ゼロに終わっている。彼のハードワークや守備への献身的姿勢は決して見劣りしなかったが、決定機が少なくなったことで、どこか「黒子に徹している」という印象が拭えなかった。

 それだけに、いかにして原口が言うような「両方が仕留める形」を作っていくのか。そこは最終予選終盤戦、そして1年後のロシアW杯本大会を戦い抜くうえで、大事なポイントになってきそうだ。

「3月の時は点を取れなかったけど、取りたい気持ちはもちろん強い。その前にまずは自分の仕事量を減らさないことが大事になってくる。そこが評価されてる部分でもあるし、アウェイで失点すると難しくなるのは分かっている。自分がハードワークしてボール奪って出ていくことを繰り返せば、日本代表なら必ずチャンスが来る。それを信じて走り続けるだけですね」と原口は自分に言い聞かせるように話していた。

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