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日本代表 7年前

香川真司に求められるリーダーシップ。受け身から脱皮し、ピッチ上の統率役となれるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

不安が残る相方・今野の状態。香川がリスク管理役にも?

 同じインサイドハーフを務めるのが、UAE戦で目覚ましい働きを見せた今野というのも心強い点だ。もちろんデンベレほどの傑出した個の打開力はないにせよ、今野は日本人では頭抜けたアグレッシブさと球際の強さを誇る万能選手。香川自身も「UAE戦のプレーを見れば、問題ないと思いますし、あそこで攻守において出ていけるっていうのは、このチームのストロングポイントになる。その回数を僕たちがさらに増やしていければ、より脅威になる」と今野と組むメリットを改めて口にした。

 とはいえ、ご存知の通りベテランMFは右足小指骨折の重傷から2か月半ぶりに公式戦復帰を果たしたばかり。4日のジュビロ磐田戦での30分間のプレーは本来の姿とはやや遠い印象も否めなかった。本番になれば凄まじい闘争心を発揮する選手ではあるが、今回負担をかけすぎるのはマイナスだ。守備面も含めて香川がよりサポート意識を強め、相方の役割を軽減してあげることが肝要だ。

「(中盤は)1ボランチは1人しか残らないから、サイドバックの選手も含めてリスクマネジメントを考えないといけない。(イラク戦は)アウェイで、特にピッチコンデションが悪い中でやるんで、そういう部分も確認しながらやっていきたい。自分たち1人ひとりが持っているものをピッチで表現することを次の試合では意識してやりたいなと思います」と、香川は山口を含めた中盤のバランスや距離感に細心の注意を払いつつ、ベストな関係を構築していくつもりだという。

 今季ドルトムントでは、デンベレやラファエウ・ゲレイロら若いアタッカー陣に囲まれ、香川が周りに気を使ってサポートに入ったり、バランスを取りながらプレーする場面が少なくなかった。その傾向が特に強かった昨年末には「個でどうにか打開してくれみたいな雰囲気があって、それも(勝つための方法の)1つだとは思うけど、もっとチームとして連携していく必要がある。そう周りを自分が引っ張っていくつもりでやってました」と語り、リーダーシップをより強く押し出そうとしていた。

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