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Jリーグ 7年前

柏、8連勝導いた転換点。怒涛のハイプレス集団への変貌。土台はアカデミーからの継続に

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「運動量では自分たちに分があると思っていた」(大谷秀和)

柏レイソルのMF大谷秀和。好調のチームをキャプテンとしてけん引している
柏レイソルのMF大谷秀和。好調のチームをキャプテンとしてけん引している【写真:Getty Images】

 最終ラインやゴールキーパーの西川周作を含めて、レッズには足元の技術に長けた選手が多い。前線から積極果敢にプレスをかけても、テクニックを駆使されて簡単にはがされる恐れがあった。

「浦和さんの試合を見ていると、どのチームも簡単にボールをもたせたうえで、引いてブロックを作るケースが多かった。そうなると奪って攻めようとしても、自分たちのエリアからなかなか出られない。だからこそ、自分たちが前からどんどんプレッシャーをかけにいこうと考えていた」

 大一番へ向けてスカウティングを済ませたキャプテンのMF大谷秀和は、レッズを畏怖するのではなく、自分たちが貫き通してきた戦い方を真っ向からぶつける選択をチーム全体で下したと明かす。

 レッズの疲労蓄積も見越していた。済州ユナイテッドFC(韓国)とのACL決勝トーナメント1回戦第2戦で、延長戦を含めた120分間の死闘を制してから中3日。おそらくメンバーはほとんど変えてこない。

「ヒロトとクリス(クリスティアーノ)が前から行ったら、頑張って後ろもついていく。それで剥がされたら、いったん戻って作り直せばいい。至ってシンプルな話だし、運動量では自分たちに分があると思っていたので、彼らを休ませる時間を作ることなく、どんどん前から行きながら対応しようと」

 大谷の言葉通り、トータルの走行距離で116.2キロに対して111.871キロ、スプリント回数では188回に対して144回と大差をつけた。無骨さと泥臭さで、レッズのテクニックを断ち切ってみせた。

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