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日本代表 7年前

本田が示す日本サッカーの新たな可能性。31歳バースデーのイラク戦で果たすべき役割

 13日のロシアW杯アジア最終予選のイラク戦に向け、試合開催地のイラン・テヘランで練習を続ける日本代表。過酷な暑さとも戦わねばならないうえ、負傷者続出にも悩まされている。ここで重要な役割を果たすのが本田圭佑だ。試合当日に31歳の誕生日を迎える背番号4は、定位置奪回へ相当な覚悟を胸に秘めている。(取材・文:元川悦子【テヘラン】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

イラク戦は炎天下。負傷者続出で危機感高まる

本田圭佑
日本代表の本田圭佑【写真:Getty Images】

 2018年ロシアW杯アジア最終予選終盤戦の動向を大きく左右するイラク戦(テヘラン)が13日に迫ってきた。9日に現地入りした日本代表だが、7日のシリア戦(東京)で左肩を脱臼し離脱を余儀なくされた香川真司(ドルトムント)に続き、右すねを打撲した山口蛍(C大阪)が3日連続で練習を欠席。復帰のメドが立たない状況だ。

 長友佑都(インテル)も右足内転筋の痛みを訴えて9日の練習は途中でリタイア。10日は姿を見せたものの、別メニュー調整を強いられていて、イラク戦に向けて暗雲が立ち込めている。

 主力級に負傷者が続出し、危機感が日に日に高まる日本代表。彼らをより一層苦しめるのが猛暑だ。イラク戦は現地時間16時55分(日本時間21時25分)キックオフ。その時間の気温は9日、10日ともに35度前後で、湿度も10%強。今の日本とはかけ離れた気象条件である。日没も20時40分頃で、選手たちは1試合を通してまぶしい太陽が照りつける中でプレーしなければならない。

 決戦の地・パススタジアムのピッチ環境は改善が見られる模様だが、実際にプレーしてみなければわからないところがある。こうした悪条件を踏まえて臨機応変な戦い方ができなければ、すでにロシア行きの道が断たれているイラクに足元をすくわれかねない。

 だからこそ、チーム全体でどう戦うかという方向性を決め、意思統一を図ることが肝要だ。常日頃からデュエルと縦への速い攻めに強いこだわりを持つハリルホジッチ監督も「それだけではいけない」という危惧を抱いたのか、10日の練習開始時に選手たちと室内で30分近いディスカッションを実施。話し合いはヒートアップしたという。

「これだけ暑いんで、(試合の)中で話し合っていくことが必要。(環境を)体感しているのは選手。試合に入ってから監督に『どうするんですか』と聞く時間はないし、ハーフタイムまで待てないので、しっかり自分たちの中で修正していかないと。そう監督も言ったし、選手も意見を言ったんで、ポジティブな方向に進めるようにしないと。そこは経験ある人たちが率先してやるけど、僕らも意見を言えるように頑張っていきたい」と今回も右サイドバックで先発出場濃厚の酒井宏樹(マルセイユ)は神妙な面持ちで話していたが、今回は選手側の判断と積極的なアクションがいつも以上に強く求められてくる。

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