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アジア 7年前

韓国、当然の代表監督解任。愚かだった3年前の決断。シュティーリケと過ごした996日間

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

ハリル就任の可能性もあった? 無駄にした3年間、まずはW杯出場を

 他にも報道されていた新監督候補がいたのもファン・マルワイクを蹴ってよかったと考えるひとつの理由である。2014年当時、ホン・ミョンボ監督の後任候補には日韓W杯でトルコを2位に導き、FCソウルでの指導経験もあるシェノル・ギュネシュ氏、 元クロアチア代表のロベルト・プロシネチキ氏、そして現在日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が挙げられていた。

 ハリルホジッチ監督に関しては、KFAが具体的なオファーを提示したかどうか確認できていない。だが、アルジェリア代表監督としてブラジルW杯で韓国に完勝を収めたうえ、同代表との契約も満了していたため興味を持つのは当然だった。

 しかし、結局監督として招聘されたのはこのたび解任となったドイツ人だった。結果論だが、996日前の選択が韓国を窮地に追い込んだ。3年前、ブラジルW杯での失敗を受け、立て直しのためにしっかりとしたビジョンを持っていたら、という考えが頭から離れない。

 イ・ヨンス技術委員長は退任の弁として「2試合をしっかりとまとめられる韓国人監督に就任してほしい」と語った。後任には7年前の南アフリカW杯で指揮を執り、現在Kリーグ副コミッショナーを務めるホ・ジョンム氏が韓国代表新監督の最有力候補として挙げられている。

 だが、あの時の選択がなかったら、韓国はこの3年間でチーム全体をより強く成長させることができたはずだ。残りの2試合でロシアW杯への切符を勝ち取るのはもちろん大事だが、シュティーリケとともに浪費した996日間が惜しくて惜しくて仕方ない。

(取材・文:キム・ドンヒョン)

【了】

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