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Jリーグ 7年前

磐田・松浦拓弥、浦和撃破の立役者に。名波浩監督の“秘蔵っ子”が示した「反発力」

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki, Getty Images

走り込みに付き合ってくれた菅野フィジコへの感謝

19日の練習後グラウンドを走っていた松浦拓弥(左)と菅野淳フィジカルコーチ(右)【写真:青木務】
19日の練習後グラウンドを走っていた松浦拓弥(左)と菅野淳フィジカルコーチ(右)【写真:青木務】

 松浦自身、「チームが勝つために使ってくれたし、起用してくれたことにゴールという形で応えられてすごく良かった」と言う。彼はきっと、指揮官から課されたものを“仕打ち”ではなく愛情の裏返しと捉え、黙々と走り込んだに違いない。

 そして、菅野淳フィジカルコーチへの想いも口にした。

「それ(ランニング)に付き合ってくれた菅野さん。一番感謝したい」

 ゴールを決めた松浦は、チームメイトの手荒い祝福を受けてもみくちゃにされた後、菅野フィジカルコーチと満面の笑みでハイタッチを交わしている。その場面について話を向けると、こんな言葉が返ってきた。

「俺、話していたんですよ。得点を取ったら『菅野さんのおかげ』って言いますねって。本当にそれができて良かったなと」

 他の誰にも劣らない高い能力を考えれば、浦和を相手に2ゴールを奪う活躍も驚くようなことではない。プレーに波があるのなら、なくせばいい。簡単なことではないが、あのパフォーマンスを見せられたら期待せずにはいられないだろう。

 何より、松浦自身が次のチャンスに飢えている。浦和戦の翌日、背番号11は約1時間半の全体練習を終えるとシューズを履き替え、菅野フィジカルコーチと共に走り始めたのだから。

 この光景は、練習場の“日常”となりそうだ。

(取材・文:青木務)

【了】

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