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Jリーグ 7年前

磐田・松浦拓弥、浦和撃破の立役者に。名波浩監督の“秘蔵っ子”が示した「反発力」

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki, Getty Images

ピカイチの攻撃センス。だがG大阪戦はベンチ外に

 攻撃センスはピカイチで、相手の嫌な位置でボールを受けては前を向き、最善の選択でチャンスを演出する。指揮官の意図を汲み取り、実践することで味方を活かすだけでなく自身も力を発揮する。試合の流れを変えたい時、誰よりも頼りになるのが松浦だ。

 今シーズンはスタメンとしても活躍している。第5節・清水エスパルスとの静岡ダービーで勝利に貢献すると、7試合連続でスタートからピッチに立った。昨シーズンの先発が2試合だったことを思えば、序盤戦は上々の出来だろう。

「より長い時間で使ってもらえるように、とは思っている。もっともっと試合に出て結果を残したい。それがあまり表に見えないタイプだと思うけど」

 松浦は照れくさそうに話したことがあるが、コンディションが万全であれば毎試合スタメンでもおかしくない選手である。

 ところが、第12節・柏レイソル戦以降はベンチスタートとなり、前節のG大阪戦は18人のメンバーに入ることもできなかった。類まれな能力を有しながらパフォーマンスに波があるのは事実で、試合を壊すような失態は演じないが、持ち味を発揮できずに出番を終えることもある。

 彼が頻繁にボールを受けるからこそ攻撃は円滑に動き出すが、スタメン出場を続けるうちに持ち味が薄れていった。そのことは本人も認めている。

「ゲームを見直しても『ここ行けたかな』というシーンがあった。気持ち的に弱気ではないけど、ボールロストを少なくしたいとか、セーフティになっていた部分が多かったかな」

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