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代表 7年前

変幻自在のチリ、“2軍”も強さ顕在のドイツ。コンフェデ杯決勝、好ゲームの予感【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

“2軍”のドイツ、楽々と決勝進出

ドイツ代表のGKマーク=アンドレ・テア・シュテーゲン
ドイツ代表のGKマーク=アンドレ・テア・シュテーゲン【写真:Getty Images】

 もう1つのカード、ドイツ対メキシコは4-1でドイツの圧勝だった。今回のドイツは主力をほとんど招集していない、いわば「2軍」である。それでも余裕を持って難敵メキシコを下している。

 昨年のコパアメリカ・センテナリオでは史上最強とまでいわれていたメキシコだが、準々決勝ではチリに0-7で大敗している。今回もドイツに完敗。優れたテクニックとパスワーク、前線からのプレッシングは健在ながら、フィジカル面で強力な相手には分が悪いようだ。

 ドイツは3-4-2-1のシステム、守備時には5-4-1のブロック。日本のJ2でよくある形だが、その強化バージョンといったらいいだろうか。ボールを奪った後に持ち出していくドリブルが速く、前線へ駆け上がるランニングも速い。パス回しも上手いが、基本的には堅守速攻型である。「1軍」とはまた違ったスタイル、メンバー構成だが、これでも十分強いのだから選手層が厚い。

 チリとドイツはグループリーグで対戦していて、そのときは1-1のドローだった。南米王者チリは、メンバーもほとんど変わらずコンビネーションが確立されている。年齢層は高くなったが球際は相変わらず強いしよく走る。

 世界王者のドイツは若手中心なので経験値はチリに及ばず、戦術的にも変幻自在のチリと比べればシンプルだ。あまり作り込んでいないぶん、若い選手がのびのびとやれているのかもしれない。チリがやや有利な気がするが、面白いファイナルが期待できそうだ。

(文:西部謙司)

【了】

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