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Jリーグ 7年前

これぞ鹿島の底力。大岩新監督のもとV字回復。昨季の二冠王者、復調の舞台裏

昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが復調してきた。首位に立つ柏レイソルのホームに乗り込んだ2日のJ1第17節で、壮絶なゴールの奪い合いの末に3‐2の鮮やかな逆転勝利をゲット。石井正忠前監督の電撃解任から1ヶ月あまり。ヘッドコーチから昇格した大岩剛新監督のもとで、リーグ戦4連勝と怒涛のV字回復を遂げた舞台裏に迫った。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

1点ビハインドのハーフタイム。泰然自若としていた大岩監督

鹿島アントラーズの大岩剛監督
鹿島アントラーズの大岩剛監督【写真:Getty Images】

 憎たらしいほどの強さが脈打っていた。敵地を支配する大声援にも動じない。先制を許しても浮き足立たない。そして、最後には笑う。常勝軍団・鹿島アントラーズが完全復活の雄叫びをあげた。

 満員で埋まった日立柏サッカー場で、首位に立つ柏レイソルと対峙した2日のJ1第17節。前半24分にゴールネットを揺らされ、1点のビハインドで迎えたハーフタイム。大岩剛監督は泰然自若としていた。

「失点の場面以外は素晴らしい内容だ。後半も攻守に連動した動きを続けよう」

 果たして、リーグ戦では6試合ぶりに先発したFW金崎夢生が、後半8分に目の覚めるようなミドルシュートを一閃。余韻が残る同11分には、MF永木亮太の直接FKがそのままゴールに吸い込まれる。

 左タッチライン際からファーサイドを狙ったキックは一陣の風に乗って伸び、さらにカーブの軌道を描きながら急降下。日本代表GK中村航輔の判断ミスを誘い、飛び出した頭上を越えていった。

 神懸かり的なスーパーセーブを連発し、8連勝を含めた10戦連続無敗を支えてきた22歳の若き守護神が犯したまさかのミスが、怒涛のように押し寄せるアントラーズのプレッシャーを物語っていた。

 好調を維持するレイソルも、6分後にFWクリスティアーノの一撃で同点に追いつく。ますます白熱する死闘を制したのはアントラーズ。27分にFWペドロ・ジュニオールが決めた勝ち越し弾を守り切った。

 GKクォン・スンテの負傷退場などで、後半アディショナルタイムは6分間が表示された。それでも再度リードを奪われてからは決定機を作れなかった展開に、レイソルの下平隆宏監督は脱帽するしかなかった。

「鹿島アントラーズというクラブの底力を感じたというか。自分たちのペースになりかけたときにファウルをもらうとか、また流れをもっていかれるようなプレーがちょこちょこ出てくる。上手く時間を使われたなかで、なかなか乗っていけない、追いつくパワーを出すところまでもっていけないと感じました」

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