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Jリーグ 7年前

これぞ鹿島の底力。大岩新監督のもとV字回復。昨季の二冠王者、復調の舞台裏

text by 藤江直人 photo by Getty Images

代表招集から復帰後、昌子が感じた変化

鹿島アントラーズのDF昌子源
鹿島アントラーズのDF昌子源【写真:Getty Images】

 伝統とも言っていい勝負強さを、これでもかと発揮した末にもぎ取った価値ある白星。これで今シーズン2度目の4連勝をマークしたが、ほんの1ヶ月前はまさに“嵐”の真っただ中にいた。

 広州恒大(中国)に敗れ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)初制覇の悲願を決勝トーナメント1回戦で断たれてから一夜明けた5月31日、石井正忠監督の解任が電撃的に発表された。

 その時点でリーグ戦は7勝5敗と黒星がかさんでいた。ACLもアウェイゴール数で負けるなど、二冠を獲得し、FIFAクラブワールドカップでも準優勝した昨シーズン終盤に見せた勝負強さが消えかけていた。

 ヘッドコーチから昇格した大岩新監督は、石井前監督のもとで培われてきた、チームのベースになる部分は変えないと明言。そのうえで、鼓動を再び強く奏でさせるためのマネジメントをほどこした。

「選手個々の特徴や組み合わせ、起用するポジションによって起こりうる変化といったものを、自分のなかで考えながら選手を選んでいます。それだけではなかなか上手くいかないときもありますけど、自信をもってプレーしなきゃいけない、相手との駆け引きで上回らなきゃいけないとは全員に言っています」

 緊急登板から5日目で迎えた、6月4日のサンフレッチェ広島戦は3‐1で勝利した。前体制下で先発の機会に恵まれなかった両MF、中村充孝の初ゴール、レアンドロの2発で前半のうちに試合を決めた。

 ハリルジャパンに招集され、直後から留守にしたDF昌子源は、シリア代表との国際親善試合、イラク代表とのワールドカップ・アジア最終予選を戦い終えて、再合流したアントラーズに変化を感じたという。

「石井さんのときにあまり出番がなかった選手、名前を挙げればアツ君(中村)やレアンドロの調子がよくて、結果を残せば試合に出る。調子が悪ければ、これも名前を挙げれば(土居)聖真はずっと試合に出ていたけど、柏戦では先発から外れた。チーム内の競争が、ちょっと激しくなったのかなと」

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