【YOUはどうしてJリーグに?:番外編】シシーニョと城後、ユニ交換の顛末。元スペインU-21代表MFが待ち望んだ“キング”との対面

Jリーグにおける外国籍選手といえば、ブラジル人や韓国人のイメージが強い。しかし、近年その傾向は弱まり、ヨーロッパからも多くの選手が日本でのプレーを選ぶようになった。彼らはどんな思いを胸にJリーグのピッチに立っているのだろうか。今回は第2回で焦点を当てたFC岐阜の元スペインU-21代表MFシシーニョにまつわるアナザーストーリーを紹介する(不定期連載です)。

2017年07月08日(Sat)10時30分配信

シリーズ:YOUはどうしてJリーグに?
text by 舩木渉 photo Avispa Fukuoka
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シシーニョと城後、ついに初対面

シシーニョ
互いのユニフォームを持って記念撮影する城後寿(左)とシシーニョ(右)【写真提供:アビスパ福岡】

 紺色の「10」が刻まれたユニフォームを手にした小柄なスペイン人は、まるでサッカー少年のように無邪気に笑った。

「ついに交換してきたよ!」

 すぐ近くでユニフォーム交換の様子を見ていた筆者を見つけると、満面の笑みでそう語った。その選手こそ、FC岐阜のスペイン人MFシシーニョである。

 すでに多くのメディアで報じられているが、シシーニョは今月5日の明治安田生命J2リーグ第21節アビスパ福岡対FC岐阜の試合後、福岡のMF城後寿と念願だったユニフォーム交換を果たした。

 そもそものきっかけは、数年前にさかのぼる。福岡サポーターの日本人の友人からJリーグを紹介されたシシーニョは、試合を見て、チームの動向を追いかけるうちに城後という選手に惹かれた。その理由は「インテリジェンスがあり、得点も取れるし、アビスパ一筋でプレーしている」からだった。

 福岡の中心選手として長く活躍し、毎年のように上位クラブからオファーがありながらアビスパ愛を貫いてきた姿、そしてどんな時も諦めず走り続ける姿に、数年ごとに移籍するのが当たり前のスペインでプレーしていたシシーニョは惹かれたのかもしれない。そして今季、岐阜への移籍が決まり、日本のピッチで城後と直接戦うチャンスを手にした。

 そんな2人の初対戦は、J2の前半戦最後の試合となった。90分間の戦いを終えたあと、いかにしてユニフォーム交換は実現したのだろうか。

 シシーニョによれば「試合後に城後が僕たちのロッカールームの方に来てくれた」という。だがシシーニョはクールダウン中で出てこられなかったため、タイミングが合わず対面は叶わなかった。

 その後、今度はシシーニョが福岡のロッカールームを訪ねる。するとちょうどミーティングを終えて帰ってきた城後と対面することができ、互いのユニフォームを交換した。記者は足を踏み入れることができないエリアのため、後ろから眺めることしかできなかったが、2人は通訳を交えてコミュニケーションをとり、笑顔で束の間の交流を楽しんでいた。

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