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日本代表 7年前

香川&井手口という化学反応への期待。ロシアW杯へ、効果的な中盤の新ユニット【識者の眼】

アジア最終予選を勝ち抜き、2018年に開催されるロシアW杯の出場権を獲得した日本代表。10月6日、キリンチャレンジカップ2017でニュージーランド代表との一戦を迎える。本大会に向けての準備が本格的にスタートし、様々なテストがなされることが予想されるが、この試合では新たな中盤のユニット誕生に期待したい。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

初の組み合わせになる香川と井手口

ハリルジャパンのMF井手口陽介(左)と香川真司(右)。まだ日本代表で同じピッチに立っていない
ハリルジャパンのMF井手口陽介(左)と香川真司(右)。まだ日本代表で同じピッチに立っていない【写真:Getty Images】

 W杯に向けた“第三段階”に突入した日本代表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「W杯の準備はもう始まっているという話。W杯はサッカーの大会では最も美しい物だが要求が高く危険。準備ができていなければそれが後悔、フラストレーション、屈辱につながってしまう」と語り、選手たちにはさらに高い要求をしていく姿勢を打ち出している。

 その最初の試合となるニュージーランド戦も6枚の交代枠を有効に使い、多くの選手を起用することを明言するが、「チームのバランスを崩さないことを守りながらディフェンス、中盤、前線、そこでしっかりとした一貫性のあるプレーができるように守備のバランス、攻撃のバランスを保たなければならない」と語り、指揮官が考えるオーガナイズを崩すことなくオプションを増やしていく方針だろう。

 その中でメインのオーガナイズの1つになりうるのが香川真司と井手口陽介のユニットだ。もともとチームの主力だが6月のシリア戦で序盤に負傷し、最終予選ラスト3試合に出場できなかった香川とシリア戦で途中から代表初キャップを踏み、救世主的な活躍で代表の新たな主力候補に躍り出た井手口。ニュージーランド戦は彼ら二人が同時にピッチに立つ最初の試合になる可能性が高い。

 基本的には香川は攻撃的、井手口は守備的なイメージが強いが、香川は前からボールを追う守備に関してはハイレベルで、戦術理解度も高い。3月のアウェイのUAE戦では今野泰幸の獅子奮迅の活躍が目立ったが、高い位置で相手の攻撃を限定し、今野と山口蛍のところでボールを奪いやすい状況を生んだ香川の貢献も軽視できない。

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