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ペップ・シティの衝撃。ナポリを空転させたボール回し、攻撃の手がかり奪う即時のプレス

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

「私のキャリアの中で最高の対戦相手だ」(グアルディオラ監督)

73分、ディアワラのPKでナポリはなんとか一矢を報いた
73分、ディアワラのPKでナポリはなんとか一矢を報いた【写真:Getty Images】

 2点リードを奪われた直後の25分、デ・ブルイネのミドルがクロスバーに弾かれなければ、勝負はその時点で決まっていたことだろう。メルテンスが38分にPKを外すなど、前線のタレントに冴えがなかったことにも差は現れていた。

 しかし試合後ジョセップ・グアルディオラ監督は、イタリアのメディアに対し「選手としても監督としても、ナポリのようなチームに当たったことはない。私のキャリアの中で最高の対戦相手だ」という賛辞まで残している。

 確かに30分間を圧倒しながら、スコアは2-1という僅差に終わったことはゲームコントロールがうまくいかなかったことも意味する。彼らのペースダウンは、ナポリによってもたらされたという側面も実はあったとグアルディオラは語った。「セリエAで開幕8連勝している相手。ボールもほとんど失わないし、彼らに対抗するには当然エネルギーを消費する」。

 プレスを掛けたり、また戻ったりといったプレーは、確かに30分過ぎには続けられなくなっていた。そして、同時に対面の左SBファビアン・デルフを中心にミスも出た。するとナポリは活路を得た。サネに押し込められるだけになっていたナポリの右SBエリセド・ヒサイが前に出ることができ、右サイドからペースをつかんだ。

 そして選手間の収縮とパスのリズムに修正をかけた後半は、相手を逆に空転させた。攻撃の要であるインシーニェを途中故障で欠きながら、持ち前のパス交換でペースを保ち続ける。そして72分、ファウジ・グーラムがドリブル突破を仕掛けてPKを奪取し、なんとか一矢を報いた。

 とりあえずグループFでは、マンチェスター・Cが3連勝で勝ち点9を確保。一方で勝ち点3にとどまったナポリは、シャフタール・ドネツクにすでに一敗を喫している。ホームで再びシティと対戦する第4節で勝ち点奪取を狙わないと、決勝ラウンド進出に向けては苦しくなる。この日の内容を教訓に、結果を得ることはできるのだろうか。

(文:神尾光臣)

【了】

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