鹿島V字回復のキーマン三竿健斗。常勝軍団の心臓部託された21歳ボランチの献身

鹿島アントラーズがJ1連覇に王手をかけた。浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝に進出した関係で、1試合だけ分離開催された5日の明治安田生命J1リーグ第32節で、5人の日本代表擁するACLのファイナリストから完封勝利をゲット。シーズン途中から指揮を執る大岩剛監督のもとでボランチのファーストチョイスとなり、常勝軍団を鮮やかにV字回復させるキーマン的な存在となっている21歳の新星、三竿健斗にスポットライトをあてた。(取材・文:藤江直人)

2017年11月07日(Tue)12時04分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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大岩剛監督就任後、ボランチのファーストチョイスに

大岩監督が就任以降、出場停止を除いてすべての試合で先発フル出場を果たしている三竿健斗
大岩監督が就任以降、出場停止を除いてすべての試合で先発フル出場を果たしている三竿健斗【写真:Getty Images】

 目指してきたゴールが、はっきりと輪郭をなして見えてきた。ヨーロッパ遠征に臨んでいる日本代表に最多となる5人を輩出し、全員が先発フル出場した浦和レッズをシュート3本に封じ込めた。

 守備陣が体現し続けた粘り強さに応えるように、後半35分にMFレアンドロが虎の子の決勝弾をゲット。通算14度目となる完封勝利でJ1連覇へ王手をかけた鹿島アントラーズの心臓部で、先発メンバーでは最年少となる21歳のボランチ、三竿健斗は安堵の表情を浮かべていた。

「自分自身のプレーはあまりよくなかったけど、最終的にはチームが勝てたので。お客さんがたくさん入っていたなかで、すごく緊張感のある試合でした。サポーターの方々の応援もすごく感じるものがあったし、本当に心強かった。みんなが笑顔で帰れるように、と思っていたので」

 言葉は控えめながら、いまや勝利を手にするために欠かせない存在となった。コーチから昇格した大岩剛監督が指揮を執った6月以降の20試合で、三竿は累積警告で出場停止だった9月23日のガンバ大阪戦を除いて、19試合で先発フル出場を果たしている。

 そのうち3試合は植田直通が故障離脱した穴を埋めるため、急きょセンターバックに回っている。それでも主戦場のボランチとして出場した16試合、1440分間はレオ・シルバ、永木亮太、そしてキャプテンの小笠原満男を大きく上回っている。

 石井正忠前監督が指揮を執った5月末までは、5試合、わずか104分間にとどまっていた。アントラーズ自体も7勝5敗といまひとつ波に乗れなかったが、大岩体制下では一転して16勝1分け3敗と鮮やかなV字回復を遂げている。

 実力者が集う最激戦区のボランチで、指揮官のファーストチョイスとなった三竿こそが常勝軍団を蘇らせたキーマンなのでは――こんな問いかけに、今度は恐縮した表情を浮かべる。

「紅白戦でも毎回のように競争があるし、ポジションが確立されたとは思っていません。周りからの評価というのは僕が決めることじゃないし、特に気にしたこともありません。チームが勝てればいいし、僕自身は大事な場面でのパスミスが何本もあったし、まだまだ課題だらけなので。

 ただ、試合に出場し続けることで自信というものがついてきているし、監督からすごく信頼されている、というのも感じている。試合に出ることによって新たな課題が出るし、そうなると練習への取り組み方も変わってくる。すごくいい循環ができているのかな、と思っています」

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