「日本は頭がパニックになっている」「ブラジルにとってこのゲームはもう終わり」
ーー前半は0-3と圧倒されてしまいました。正直、どうやったらこの差を埋められるかわからないくらいブラジルは強いですね。
「今、僕はその『差』についての本を書いているんだよね。ブラジルに追いつくのはもちろん簡単ではない。いろいろな要因があって、『自己認識』はそのひとつ。そして、子どもの頃からの育成も変えるべきところがあると思います」
ーー前半、日本の問題点を挙げるとすればどこでしょうか?
「DFとMF、MFとFWの間のスペースが広すぎると思う。最悪の事態ですね。失点も多いし、攻撃は全然機能していないし、選手たちは戦う姿勢を見せていないね。頭がパニックになっちゃっているかな。ピッチ外ではいろいろな準備ができて、話もできて、プランも立てられますが、サッカーはピッチ内で勝負が決まるもの。言葉と行動は違うからね。誰でも何でも言うことができるけれど、それを実現するのは難しい」
ーー日本は後半開始から浅野拓磨を投入しました。3点差という状況で、彼にはどんなプレーが求められるでしょうか?
「前向きにプレーしなきゃいけないね。マルセロの裏を狙わないといけない。日本の後半の立ち上がりはいいと思う。でも、ブラジルは少しゆっくりになってしまった。そしてハーフタイムでGKも交代した。ひどいね…」
ーー確かに、ブラジルのプレーはだいぶゆるくなりましたね。前半のような破壊力のあるカウンターを狙ってこなくなってしまいました。
「そうでしょう。ブラジルにとってこのゲームはもう終わりました」
ーーブラジルには余裕ムードが漂っていますが、もう一度エンジンをかけさせるために日本がすべきことは何でしょうか?
「ボールを持った時に、ブラジル側の深くまで進まないといけない。ミドルサードだけからだとチャンスは作れないよ」
ーー槙野智章がゴール! 日本が1点を返しました。いいゴールでしたね。
「ムードメーカーはチャンステイカー…かな(笑)。日本はあまりセットプレーから点を取れないから、いいことですね」
ーー日本がブラジルからゴールを奪ったのは11年ぶり、そして槙野は福田正博、中村俊輔、大黒将志、玉田圭司に続く5人目のブラジル戦得点者になりました。そうそうたるメンバーに並びましたね。
「次は2028年かな…?(笑) 槙野はファンタスティック・ファイブに入ったね」