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日本代表 6年前

ハリルJ、優勝逃せば”全滅”の覚悟で臨め! ロシアW杯での生き残りをかけE-1へ

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ロシアW杯へのラストサバイバル。優勝逃せば“全滅”の覚悟で

 勝利に飢えているという意味ではハリルホジッチ監督の心中にも並々ならぬものがあるだろう。日頃から「負けるのは大嫌い」と主張する指揮官は明らかな格上に挑んだ11月の欧州遠征でも「もしかしたら10回に1回は勝てるかもしれない。そういう1回にしたい」と意気込んだが、その思いは打ち砕かれた。だが東アジアの3ヶ国を相手にホームで戦う今大会は現実目標としてタイトルを獲りにいく時だ。

 究極の目標が半年後のロシアW杯であることに変わりはない。そこから逆算すればE-1もプロセスの1つであり、結局のところはW杯本大会で結果を出すために“足りない部分”を埋められる戦力を発掘する必要がある。とはいえチームで優勝という結果を手繰り寄せることができなければ、W杯に出場する最終メンバー発表前の最後のテストマッチとなる来年3月に向け、“海外組”を中心とした常連メンバーとの序列を覆すことは困難だろう。

 極端な話、優勝できなければ今回の新戦力や復帰組は全滅するぐらいの意識で臨むべきだ。もちろん継続的に招集されている井手口陽介や杉本健勇なども、結果次第では評価を下げる可能性もある。

 今回はAFCチャンピオンズリーグを制してアジア王者になった浦和から招集できなかった一方で、J1で優勝タイトルを争う鹿島アントラーズから6人、川崎フロンターレから5人を選ぶなど、一種の“寄せ集め”になるチームとしては連係面の不安が少ないメンバー構成になっている。

 また海外組のキャプテン長谷部誠がいない中盤には日本代表通算90キャップを誇るベテランの今野泰幸を復帰させるなど、単にフレッシュな陣容で固めるのではなく、メンタル面の経験値やバランスも意識した構成だ。そこからも指揮官が求めるのが単に個人のアピールや経験でないことが伝わってくる。

 12月4日から合宿が始動し、翌5日の夜には「Jリーグアウォーズ」を挟むなど難しい部分もあるが、9日の北朝鮮戦からはじまり、12日の中国戦、そして16日の韓国戦までの13日間でチームとしていかにまとまり、E-1のタイトルを勝ち取るための戦いができるか。その中にこそ個人のアピール要素が詰まっているのだ。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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