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日本代表 6年前

初招集から約7年、日本代表の黒子役務めてきたGK東口順昭。中村航輔の活躍で高まる闘志

12日に行われるE-1選手権第2戦の中国戦を迎える日本代表。9日の北朝鮮戦では終了間際に井手口陽介が決めた決勝点で辛くも勝利したが、試合を通じて最も好パフォーマンスを見せていたのはGK中村航輔だった。中村の奮闘は、ベンチで試合を眺めていた東口順昭も大いに刺激となっている。日本代表に継続的に招集されながら出場機会に恵まれていなかった苦労人の守護神は、闘志を高めて出番を待つ。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「選ばれてる数の割には試合に出てへんと思う」

日本代表のGK東口順昭。初招集から約7年となるが、国際Aマッチ出場は3試合にとどまる
日本代表のGK東口順昭。初招集から約7年となるが、国際Aマッチ出場は3試合にとどまる【写真:Getty Images】

 シュート数7対12と劣勢を強いられながら、後半アディショナルタイムに井手口陽介(G大阪)の決勝弾が飛び出し、辛くも北朝鮮を1-0で振り切った9日のE-1選手権初戦。2大会ぶりのタイトルを取るために12日の第2戦・中国戦も負けられない。とはいえ、中2日のハードスケジュールということで、メンバー入れ替えは必至。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がどんな陣容で挑むのかは大いに気になるところだ。

 とりわけ、GKをどうするかは大きな注目点。今回は半年後に迫った2018年ロシアワールドカップ前最後の見極めの場ということで、指揮官の中では当初から東口順昭(G大阪)、権田修一(鳥栖)、中村航輔(柏)の3人を順番にテストしたいという思惑があったはず。しかしながら、北朝鮮戦で中村が好セーブを連発し、一気に存在感を高めたことで、彼をそのまま使い続けるべきか否かの判断が難しくなってきた。

 勝負にこだわるならGKは不変というのが短期決戦を戦い抜くセオリーだが、ロシアを考えると長い間チームに帯同させてきた東口もテストしておきたい。入れ替えるとしたら、次の中国戦がベストタイミングではないか。

 東口は、アルビレックス新潟に所属していた2011年3月の東日本大震災復興チャリティマッチでA代表に初招集され、6月のキリンカップ・ペルー&チェコ2連戦にも続けて呼ばれた。

 だが、アルベルト・ザッケローニ監督時代は相次ぐケガなどで出場機会がないまま終わり、国際Aマッチデビューはハリル体制発足直後の2015年8月の前回E-1選手権・中国戦(中国・武漢)まで大幅にズレ込んでしまった。

 本人も「選ばれてる数の割には試合に出てへんと思う。基本、遠回りするタイプ」と苦笑していたが、遠回りはその後も続いた。ロシアワールドカップアジア予選が始まってからも川島永嗣(メス)、西川周作(浦和)の後塵を拝し続け、チャンスが与えられたのは、2016年3月の2次予選・アフガニスタン戦(埼玉)と2017年10月のハイチ戦(横浜)のみ。出場3試合の戦績は1勝2分の総失点4と決して芳しいとは言えない状況だ。

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