「選ばれてる数の割には試合に出てへんと思う」
シュート数7対12と劣勢を強いられながら、後半アディショナルタイムに井手口陽介(G大阪)の決勝弾が飛び出し、辛くも北朝鮮を1-0で振り切った9日のE-1選手権初戦。2大会ぶりのタイトルを取るために12日の第2戦・中国戦も負けられない。とはいえ、中2日のハードスケジュールということで、メンバー入れ替えは必至。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がどんな陣容で挑むのかは大いに気になるところだ。
とりわけ、GKをどうするかは大きな注目点。今回は半年後に迫った2018年ロシアワールドカップ前最後の見極めの場ということで、指揮官の中では当初から東口順昭(G大阪)、権田修一(鳥栖)、中村航輔(柏)の3人を順番にテストしたいという思惑があったはず。しかしながら、北朝鮮戦で中村が好セーブを連発し、一気に存在感を高めたことで、彼をそのまま使い続けるべきか否かの判断が難しくなってきた。
勝負にこだわるならGKは不変というのが短期決戦を戦い抜くセオリーだが、ロシアを考えると長い間チームに帯同させてきた東口もテストしておきたい。入れ替えるとしたら、次の中国戦がベストタイミングではないか。
東口は、アルビレックス新潟に所属していた2011年3月の東日本大震災復興チャリティマッチでA代表に初招集され、6月のキリンカップ・ペルー&チェコ2連戦にも続けて呼ばれた。
だが、アルベルト・ザッケローニ監督時代は相次ぐケガなどで出場機会がないまま終わり、国際Aマッチデビューはハリル体制発足直後の2015年8月の前回E-1選手権・中国戦(中国・武漢)まで大幅にズレ込んでしまった。
本人も「選ばれてる数の割には試合に出てへんと思う。基本、遠回りするタイプ」と苦笑していたが、遠回りはその後も続いた。ロシアワールドカップアジア予選が始まってからも川島永嗣(メス)、西川周作(浦和)の後塵を拝し続け、チャンスが与えられたのは、2016年3月の2次予選・アフガニスタン戦(埼玉)と2017年10月のハイチ戦(横浜)のみ。出場3試合の戦績は1勝2分の総失点4と決して芳しいとは言えない状況だ。