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日本代表 6年前

初招集から約7年、日本代表の黒子役務めてきたGK東口順昭。中村航輔の活躍で高まる闘志

text by 元川悦子 photo by Getty Images

中村航輔の好パフォーマンス。掻き立てられた闘志

 だからこそ、今回の中村の強烈アピールは脅威に他ならない。北朝鮮戦での22歳の若き守護神のパフォーマンスを目の当たりにし、東口は「素晴らしかったし、チームの勝利にもろに貢献できたんで、あれを僕も目指していきたい。あれができたらGKとして何よりの評価だと思う」とさらなる闘志を掻き立てられた様子だ。

 巻き返すためには、次なる中国戦の完封勝利が必要不可欠。「2年前の東アジアでの中国戦は失点しているし、望ましくない結果だったんで、リベンジということでやっていきたい」と本人も語気を強めた。

 最終ラインを統率するであろう昌子源(鹿島)らとともに守備全体を統率し、連動した守りを構築するのが、守護神に課せられた第一のテーマ。ハリルホジッチ監督も口を酸っぱくしてコミュニケーションの重要性を説いているが、東口自身もそのことはしっかりと頭に叩き込んでいる。

「GKとセンターバックが一番(戦況が)見えているわけで、僕らの声を信じて周りが動いてくれることが一番大事。(9日の開幕戦で)中国が韓国に点を決めた2点ともクロスからですし、マークをルーズにすると相手に強さが出ると思う。

 クロスを上げさせないこともすごく大事だけど、上げさせた時の対応をしっかりしたい」と昌子も最後尾に位置する人間の心構えを代弁していたが、東口も全く同じ意識を持っているはず。だからこそ、つねに声を出して、前の選手を的確に動かす仕事がより強く求められてくる。

 日本代表が首尾よく組織的守備を構築できたとしても、試合の中でミスが起きたり、ピンチに陥る場面は少なからず出てくる。そこで持ち前の鋭い反応とシュートストップを見せつけることも、東口に必要なポイント。中村はそれをやってのけたから、評価が急上昇したのだ。ロシアへ行こうと思うなら、今度は自分が安定感を見せることが必要だ。

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