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36年ぶりW杯出場のペルー。大黒柱ゲレーロも出場停止処分軽減で参戦可能に【ロシアW杯全32チーム紹介】

6月14日に開幕する2018FIFAワールドカップロシア。グループリーグの組み合わせも決定し、本大会に向けて期待感は高まるばかりだ。4年に一度開催されるサッカーの祭典には各大陸予選を勝ち抜いた32チームが参加する。フットボールチャンネルでは、その全チームを紹介していきたい。今回はグループCに入ったペルー代表を取り上げる。(文:池田敏明)

シリーズ:ロシアW杯全32チーム紹介 text by 池田敏明 photo by Getty Images

熾烈な南米予選を突破。36年ぶりのW杯本大会出場

パオロ・ゲレーロ
絶対的エースのパオロ・ゲレーロは出場停止処分が軽減されてロシアW杯参戦可能に【写真:Getty Images】

【ペルー代表】
FIFAランキング:11位(2017年12月)
監督:リカルド・ガレカ(2015年2月~)
9大会ぶり5回目の出場
最高成績:ベスト8(1970年メキシコ大会、1978年アルゼンチン大会)
南米予選5位通過、ニュージーランドとの大陸間プレーオフを制して本大会出場

 ペルー代表は、群雄割拠の南米予選を7勝5分け6敗という好成績で戦い抜いた。開幕当初はコロンビアに0-2、チリに3-4と連敗スタートとなり、パラグアイには1-0と勝利したものの、その後もブラジルに0-3、ベネズエラに2-2、ウルグアイに0-1と苦しい戦いを強いられた。

 しかし、その後は下位に沈んだボリビアやエクアドル、パラグアイ、ベネズエラから勝ち点を稼ぎ、不振のアルゼンチンとも2引き分けで食い下がると、最終節のコロンビア戦では1点リードを許しながらもホセ・パオロ・ゲレーロのフリーキックで同点に追いつき、大陸間プレーオフに回る5位を確保した。

 その場面、実は間接フリーキックだったが、ゲレーロのあまりの迫力に相手GKダビド・オスピナが勘違いしたのかセーブしにいってしまい、彼の手に当たったためにゴールが認められる事態となった。

 迎えたニュージーランドとの大陸間プレーオフでは、ドーピング検査で禁止薬物への陽性反応が出たゲレーロが出場停止処分となった影響で攻撃が機能せず、第1戦はスコアレスドロー。しかし迎えたホームでの第2戦で2ゴールを奪い、1982年スペインW杯以来36年ぶりの本大会出場権を獲得した。

 2015年2月からチームを率いるアルゼンチン人のリカルド・ガレカ監督の下、ペルー代表は組織力を高めてきた。予選を通じて4-2-3-1の布陣や先発メンバーをほとんど変えず、指揮官の戦術を浸透させ、コンビネーションを熟成させていったのである。

 ペルーは従来、ブラジルやアルゼンチンといった強豪国と戦う時にも互角に渡り合おうと色気を出して挑むものの、実力差が如実に表れて見事に玉砕するという状況が続いていた。しかしガレカ監督は選手たちにハードワークの重要性を植えつけ、90分間集中力を維持してプレーする意識を浸透させた。

 今のペルーは相手のボールホルダーに対して素早く間合いを詰め、連動したプレッシングでボールを奪うと、手数をかけずに攻め込んでゴールに迫るスタイルを確立させている。前線の選手がフィニッシャーの役割を担う分かりやすい戦い方は、南米予選でゲレーロとエディソン・フローレスが5ゴール、ジェフェルソン・ファルファンとクリスティアン・クエバが4ゴールを挙げたことからもはっきり分かるだろう。

 守備に関しては、連動したディフェンスができていれば大きな問題はないのだが、それが分断されて1対1の局面になった場合、相手がワールドクラスの選手だと個人能力の差を露呈してしまう。この半年間で急激なレベルアップができれば話は別だが、組織を崩されないことを最優先させるべきだろう。

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