編成の出発点は「無理のない積み上げ」(服部強化本部長)
「去年の30失点も順位も、だいぶ出来過ぎだと思う。その『出来過ぎ感』を自分たちが確信に変えていかないといけないと思うけど、どこまでやれるかという疑心暗鬼や不安要素よりも、やれるんじゃないかという方が強くなってきている」
そして、「(今年は)30点以上取られる可能性も・・・30点以上取られるよね?」と冗談めかして笑った指揮官だが、こう続けた。
「でもまあ自信を持って守備はできるだろうと。守備が安定していれば大崩れはないと思うので。あとは(勝ち点)0を1に、1を3に持っていけるかどうか、というところじゃないかな。負け数という意味では8敗よりしたくないなと。あとは勝ち数をどれだけ伸ばせるか」
昨シーズンの戦績は16勝10分8敗。そこからのジャンプアップを目指すなら8敗は最低ラインだ。その上でポイントを重ねていくことが至上命題となるが、2017年を振り返ると強豪からの勝利も多く、土壇場で勝ち点をもぎ取った試合もあった。そうした力強さにさらに肉付けしていくには既存選手の成長、新戦力の融合が不可欠だ。
服部年宏強化本部長は編成にあたって、「昨シーズンまでのベースに無理のない積み上げ」を一つのテーマに挙げた。ここで重要なのは「無理のない」という部分だろう。
「新たに5人、6人のレギュラーを獲って、チームの方向がどちらに行くかわからないという状況を作らず、今まで積み上げてきたものにさらにいいものを積み上げる。そういう編成をしていこう、ということで始めた」
これまで構築してきたものを壊す理由が、今の磐田にはない。それは、「去年のシーズン終盤にトレーニングの質が物凄く上がってきた」という名波監督の言葉からも明らかだ。
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