フットボールチャンネル

Jリーグ 6年前

名波ジュビロが歩むトップ5への道。軸は『休まない・休ませない』。“出来過ぎ”を確信に変える挑戦

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki

『休まない・休ませない』の徹底

 リーグ戦も残りわずかとなった去年11月のある日、名波監督は翌年のテーマとしていくつかのポイントを挙げている。その一つが、『休まない・休ませない』というものだ。

『休まない』は自分たちのことを指す。『休ませない』は相手を、である。規律と大胆さを両立し常にアグレッシブなサッカーを展開する上で、この要素はサックスブルーにとって生命線となる。奪ったボールをテンポよく繋ぎ、なるべく速いタイミングで前線やサイドにパスをつける。無闇やたらに放り込むのではなく、一人ひとりが意図を持ってゴールに向かっていく。

 堅守速攻がハマった昨シーズンの戦いに名波監督は手応えを掴みながら、ボールを握る時間を増やすことにもこだわってきた。2018年もこの点への取り組みは続けられるが、「それありきになってはいけない」とも指揮官は言う。

「昨日のバルサを見ていてもそうだったんだけど、プレースピードが上がらなくなる。パススピードはあるんだけど、ソシエダがどんどん前から来ていて、繋ごうとはしているんだけど意図通り繋げていないというか。顔出し、トライアングルの形成が遅くなると、今度は技術で突破するしかなくなっちゃうから。そういうサッカーにはならないようにしたい。

 テンポが下がってしまう。『上がらない』じゃなくて下がっちゃうようなサッカーは避けたいなと。それならパス数が450本だとしても、スパンと入ってシンプルにサイドにボールが出て、そこから突破に入るようなイメージだったら本数にはこだわらないけど。けど、ね」

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top