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本田圭佑 6年前

本田圭佑、攻撃で圧倒的存在感。4試合連続で得点に関与…前期王者を陥れた本物の“巧さ”

text by 河治良幸 photo by Getty Images

巧みな動きから後期2得点目。本田の充実ぶりは明らか

 すると右前方に流れたエルナンデスに対し、ドゥエニャスが本田を捨ててプレッシャーをかけにいく。エルナンデスはドゥエニャスが詰め寄る寸前に、右ワイドにポジションを取るセバスティアン・パラシオスへボールを出す。

 そこからサガルが縦に仕掛けると、本田は相手のディフェンスラインが下がる動きに合わせて動き出し、サガルに寄せる左サイドバックのホルヘ・トーレスとセンターバックのアンセルモ・ジュニオールの間に空いたスペースに入っていこうとした。その瞬間、MFのラファエル・カリオカがそのスペースを埋めようとする。そこで本田が見せたのが巧妙なポジション移動だ。

 そのまま縦にいくと見せかけ、サイドステップ気味にラファエルを外すようにインサイドへ流れた本田が再び縦を突く。そして右サイドの深い位置までえぐったサガルがマイナス気味のクロスを送ると、ラファエルの前を抜けてくるボールに本田がジャストタイミングで左足を合わせ、GKの足元を破った。

 これまで鮮やかなミドルシュートやドリブル突破からの技ありシュートなど、誰が観ても“ゴラッソ”と呼べるゴールを決めてきた本田だが、この1点はオフ・ザ・ボールの動きで勝負ありのゴールだった。

 最後はフリーで合わせるだけだったが、タイトなディフェンスを見せるティグレスに対して巧さで制する形のゴールを決められたことは、プレーのバリエーションの豊富さを示す意味でも大きい。後期リーグ開幕戦でゴール、第2節と第3節でアシスト、そして今節ゴールを奪ったことにより4試合連続でゴールかアシストを記録していることになる。

 チームがなかなか勝てず難しい状況が続く中で、チャンスメイクとフィニッシュの両面で獅子奮迅の働きを見せる本田の存在は大きくなっている。あとはゴールやアシストで勝利を呼び込めるかどうか。さらなる活躍が期待される。

(文:河治良幸)

【了】

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