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ドイツでゴール量産中の武藤嘉紀。「もう夢物語じゃない」W杯へ秘める思い【インタビュー】

ドイツ・マインツで印象的なパフォーマンスを見せている武藤嘉紀。公式戦でゴールを重ね、目下絶好調と言えるだろう。そんな彼が、自身のキャリアやロシアW杯への思いを語っている。(取材・文:青木務/インタビュー日:2017年12月23日)

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki

キャリアの中で何度もあった大きな決断

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W杯への思いを語った武藤嘉紀【写真:青木務】

――ご自身のキャリアについて聞かせてください。FC東京の下部組織から大学進学を選び、マインツに移籍する前にはチェルシーからのオファーもありました。現在ドイツでキャリアを積み上げていますが、その過程には大きな決断がいくつもあったと思いますが?

 まず客観的に自分を見て判断するということが大事だと思いますし、何かを決めるにあたって自分にその準備ができているか。もちろん身体の準備もそうですし、心の準備もそうです。どっちかが足りていなかったら、僕は大きな決断はするべきじゃないと思っています。

 人によって全然違うと思うんですけど、僕に関しては身の丈に合った判断が必要だと思いますし、身体的パフォーマンス、メンタル面の両方の準備が整った時にステップアップしたいなと思っていて。やっぱりチェルシーの時はそのレベルに達しているという自覚もなかったし、海外を経験していないにもかかわらず、いきなり世界のトップに行くべきなのかというのは考えましたね。

――自分を客観視できるのが武藤選手の強みなのですね

 それは人より長けていると思います。ただそういった面ももちろん大事だけど、次へチャレンジするところ、難しいところへチャレンジしなきゃいけない時もあります。マインツもそうですけど、日本からトップのリーグに行くわけですから、その時も大きな決断でした。また次の決断を下すためにも、まずはしっかりと活躍して、心身ともにいい準備ができればと思っています。

――ロシアワールドカップで日本はコロンビア、セネガル、ポーランドと同じ組に入りました。この組み合わせについていかがですか?

 もちろんいずれも素晴らしい国ですけど、チャンスはあると思います。ドイツでプレーしていると、自分が相手する選手はほぼどこかの代表選手です。ヨーロッパの素晴らしい国々の強者たちとやれているので、その経験からするとドイツやフランス、ブラジルといったチームが同じグループにいないのは、正直に言うと日本にとって少なくともプラスだと思います。だからこそ、それを活かさないといけない。もちろん、簡単に倒せるチームはないですけど、絶対にチャンスはあると思うので、一発の勝負に勝てるように準備していかないといけないのかなと思います。

――前回のブラジル大会はどう見ていましたか?

 当時は大学生だったので、みんなでスポーツバーに行って応援していましたね。本田(圭佑)選手がゴールを決めたシーンなど気持ちが昂りましたし、その時は自分もいつかワールドカップの舞台に立とうという気持ちよりも、本当に凄いな、羨ましいなという気持ちでした。自分自身、(今回は)そういうチャンスをモノにしないといけないと思いますし、テレビで見ていたワールドカップのピッチに立つというのは本当に素晴らしいことなので、そうなれたらいいなと思います。

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