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Jリーグ 6年前

鹿島で躍動する内田篤人。コンディションは良好、「背番号2」が早くも示す存在感

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「これからもっとよくなると思う」

内田は水戸ホーリーホックとの1戦で先発出場し81分までプレーした
内田は水戸ホーリーホックとの1戦で先発出場し81分までプレーした【写真:Getty Images】

 ブンデスリーガ1部の古豪シャルケ04へ旅立ったのが2010年7月。当時のフィールドプレーヤーで、2018シーズンに臨むいま現在もプレーしているのは小笠原と、あとは親しみを込めて「ヤス」と呼んでいるMF遠藤康しかいない。

 その遠藤が、あわやPK獲得かと思われたビッグプレーの直前に内田の右前方にポジションを取っていた。しかも、巧みに内側へスライドして相手の関心を引きつけながら、内田が前へ駆け抜けるスペースを作り出していた。

 小笠原と同じく、旧知の間柄に育まれた“あうんの呼吸”のなせる業なのか。再び苦笑いを浮かべながら、内田は意外な言葉を返してきた。

「ぶっちゃけ、僕はヤスとは一緒にやっていないんですよ。仲がいいからやっているように思われるけど。だから僕とヤスとか、右の前の選手との関係がもっとよくなれば、僕もその選手ももっとボールをもらえるようになるので」

 同じ1988年生まれでも内田は3月27日の早生まれで、11日後の4月7日に産声をあげた遠藤は一学年後輩になる。ルーキーイヤーの2006シーズンから活躍した内田と、5年目の2011シーズンから台頭した遠藤は同じピッチ上でほとんど共演を果たしていなかった。

 もっとも、性格はお互いに熟知し合っているからこそ、時間が積み重ねられるごとにコンビネーションも熟成される。自身の経験を踏まえながら、内田は毅然とした表情で前を見すえた。

「僕がシャルケに入ったときも、最初は何ヶ月かかかったから。そこは時間がかかる。しょうがない。後半にはレオ(・シルバ)からも何本かあった。あとちょっと届かないんだけど、あれが届くようになれば裏にも抜けられる。まだまだだけど、だからこそこれからもっとよくなると思う」

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