鹿島で躍動する内田篤人。コンディションは良好、「背番号2」が早くも示す存在感

約7年半ぶりに鹿島アントラーズへ復帰した内田篤人(前ウニオン・ベルリン)が、開幕へ向けてしっかりと居場所を築きあげている。敵地で3日に行われた、J2水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチで右サイドバックして先発。移籍後では最長となる81分間のプレーのなかで、キャプテンのMF小笠原満男とのホットラインを蘇らせただけでなく、途中出場の安西幸輝を背後から上手くフォロー。「使われる側」と「使う側」の両方で、まばゆい輝きを放ちつつある。(取材・文:藤江直人)

2018年02月05日(Mon)11時47分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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猛然とスプリントを開始した背番号2

鹿島アントラーズに復帰したDF内田篤人
鹿島アントラーズに復帰したDF内田篤人【写真:Getty Images】

 たったひとつの言葉で、7年半にもおよぶブランクを埋めてみせた。鹿島アントラーズのDF内田篤人は、キックオフを前にしてキャプテンのMF小笠原満男に幾度となくこう耳打ちしている。

「最終ラインの裏ではなくて、相手のキーパーのところまで斜め前に入っていくので、そこを見ていてください」

 同じ茨城県内にホームタウンを置く、水戸ホーリーホックとプレシーズンマッチで対峙する恒例のいばらきサッカーフェスティバル。敵地ケーズデンキスタジアム水戸で3日に開催された第13回大会のハイライトのひとつが、37分に飛び出したビッグプレーだった。

 ハーフウェイラインからちょっとだけ敵陣に入った右サイドで、小笠原がボールを受けて前を向いた瞬間だった。右タッチライン際にポジションを取っていた内田が、猛然とスプリントを駆け始める。

 試合前の言葉通りに縦ではなく斜め前へ、右角付近からペナルティーエリア内へ侵入するルートをたどりながらどんどん加速していく。そこへ寸分の狂いもなく、約30メートルはあった小笠原からの縦パスが入ってきた。

「試合前からずっと言っていたことなんですけど、ああやってボールが出てくるのはやっぱりすごいと思いますね」

 トラップしながらさらに前へ抜け出した時点で、相手ゴールとキーパー松井謙弥の姿がはっきりと見えた。マークを受け渡すのか。あるいは、そのまま追走するのか。一瞬で生まれたアントラーズのチャンスに、ホーリーホックの守備陣が混乱をきたす。

 最終的には対面にいた左サイドバック、田向泰輝が必死にアントラーズの「2番」を追った。間に合わないと察したのか。最後は背後から、一か八かのスライディングタックルを仕掛ける。

 ペナルティーエリア内で激しく倒されたものの、主審のホイッスルは鳴らない。起きあがりざまに思わず苦笑いを浮かべた内田だったが、小笠原と久しぶりに開通させた“ホットライン”に感じた決して小さくはない手応えは、試合後に残した短い言葉のなかに凝縮されていた。

「まあ、(小笠原)満男さんとは(前にも)一緒にやっているからね」

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