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移籍市場の裏で暗躍する代理人ビジネスの実態。サッカー界を支配する「カネ」と「コネ」

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

象徴的なマフレズの代理人変更理由。今冬の移籍は失敗したが…

マフレズ
マフレズ(左)が望んだマンチェスター・シティ移籍は実現せず。彼の代理人変更も話題に【写真:Getty Images】

 しかしこれらは許されるべき行為なのであろうか? 同番組ではセリエAの「カルチョポリ」にも触れた。当時、代理人問題は大きな焦点にはならなかったものの、ルチアーノ・モッジの息子とその仲間がマネジメント会社を運営し、その際には「ユベントスと契約しなければイタリア代表への道が断たれるという話をして、刑事事件にもなった」ともしている。

 同じく番組に出演したサッカージャーナリストのダニエル・ストーリーは、次のように話した。

「イングランドフットボール協会(FA)の規約でも、代理人が移籍で影響力を持ってはいけない、あくまで『代理人として』仕事をする義務があると明記されている。しかしながら、例えばジョルジュ・メンデスは特大な影響力を持っているようで、クラブのターゲット選びを“アシスト”しているし、クラブはアドバイスをもらっていると見受けられる」

「レスターのリヤド・マフレズの代理人はアルジェリア人のカメル・ベンゴウガムだ(注:12月に敏腕代理人のキア・ジョーブラチアンのマネジメント会社『スポーツインベスト社』と契約している)。6000万ポンド(約90億円)クラスのマフレズのほかに、彼が面倒を見ているのはリーグ・ドゥの選手とアルジェリアリーグの選手2人のみ。過去2シーズン、マフレズにはトッテナム、アーセナル、リバプール、ローマなどへの移籍の噂が浮上したが、どれも実らなかった。カメルがクラブ内の重要人物を知らないのは、大きな要因だと思うようになったのではないか」

 実際にジョーブラチアンは1月の市場でマフレズにシティ行きの話を持ってきて、契約寸前までこぎつけた。最終的に移籍はなかったものの、今夏このアルジェリア代表MFがレスターを離れるのは既定路線となっている。

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