横浜FM、新スタイルの魅力詰まった41秒間。狙い通りの先制…開幕戦で得た確信と課題

アンジェ・ポステコグルー監督とともに走り出した横浜F・マリノスは、元日の天皇杯決勝で敗れたセレッソ大阪と新シーズン開幕戦で激突した。この試合で生まれた先制点は、新指揮官の指導のもとで取りくんでいる攻撃的な姿勢と、理想の形が見事にマッチした重要な意味を持つ1点となった。(取材・文:舩木渉)

2018年02月26日(Mon)11時20分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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丁寧につないでボールを握り続ける。15分45秒からのパス12本

山中亮輔
山中亮輔のゴールが生まれるまでの41秒間、C大阪は横浜FMに翻弄されて一度もボールに触れなかった【写真:Getty Images】

 明治安田生命J1リーグの2018シーズン開幕戦。25日に行われた横浜F・マリノス対セレッソ大阪は1-1の引き分けに終わった。

 アンジェ・ポステコグルー新監督の指導でチームの進化を目指している横浜FMは、この試合で存分に新たなプレースタイルの魅力を見せつけた。中澤佑二が「このプレースタイルで1年やっていくのを見せることができた。1-0で勝ってても引くことなく前線からディフェンスラインまで攻撃的にやることは変わらない」と語るように、前半の17分に先制した後も主導権を握って追加点を目指した。

 とりわけ新チームの魅力が凝縮されていたのが、前に述べた先制点までの一連の流れだった。15分45秒、横浜FMのDFミロシュ・デゲネクが相手右サイドバックの松田陸から放たれたロングパスをカットしたところから攻撃が始まる。

 自陣左サイドでボールを奪ったオーストラリア代表DFは、ペナルティエリア左に出てきたGK飯倉大樹へバックパス。そして右にポジションを取り直した中澤へ展開する。40歳の誕生日に開幕戦を迎えたDFは、前にパスコースがないと見るや無理せずボールを飯倉に戻す。

 再びパスを受けた守護神は左足でアンカーの喜田拓也に縦パスを入れる。ただ、これには福満隆貴が背後から寄せてきたため喜田はスルーして、パスコースの延長線上に入っていた松原健が受ける。右サイドバックながらボランチ的な立ち位置をとっていた25歳は前を向きつつワンタッチで右の中町公祐へ展開した。

 パスをコントロールした中町は右サイドのタッチライン際に張っていた遠藤渓太にボールを預け、すぐ横までサポートに出る。前を向いた遠藤だったが、この場面では無理にドリブルを仕掛けず、一旦後ろの中澤に下げる。

 三たびボールを受けた中澤は、自分の1列前でフリーになっていた中町にパスを出す。この時、自陣に残っていたのはセンターバックの2人のみ。その前にはハーフウェーラインの少し奥にインサイドハーフの中町とアンカーの喜田、内側に絞った左サイドバックの山中亮輔が同じ高さかつ近い距離でポジションをとっていた。右サイドバックの松原は大きく追い越しをかけて前線に上がっている。

 センターバックの前に立つ3人のうちマークがついているのは、アンカーの喜田のみ。C大阪の2トップはそれほど守備意識が高くなく、柿谷曜一朗は誰のマークにもついていなかった。C大阪の両サイドハーフは、中央寄りに極端に絞ったり、高い位置でボールを受けようとしたりする横浜FMの両サイドバックをケアしきれていなかった。

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