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Jリーグ 6年前

大津祐樹、横浜FMでの再出発。トップ下で輝いた才能…変貌したプレースタイル

今季開幕前、柏レイソルからの完全移籍で横浜F・マリノスに加入した大津祐樹。キャンプで負傷してから約2ヶ月経ち、ついに公式戦デビューを飾った。31日のJ1第5節・清水エスパルス戦でスタメン出場した背番号9は大いなる可能性を感じさせるパフォーマンスを披露した。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

デビュー戦はトップ下。長期離脱から復活

大津祐樹
大津祐樹は今季から横浜F・マリノスの一員に。清水エスパルス戦でデビュー【写真:舩木渉】

 負傷で出遅れていた背番号9がピッチに帰ってきた。31日に行われた明治安田生命J1リーグ第5節、アウェイに乗り込んだ横浜F・マリノスのスターティングメンバーにFW大津祐樹が名を連ねた。

 試合後、新天地でのデビュー戦を終えた大津は充実感を漂わせながら感謝を述べた。

「(ファン・サポーターから)すごく暖かい声援を感じられました。選手としてやりやすい環境を作ってくれた。アウェイにもかかわらずたくさんの人が来てくれていたし、そういう面ですごくいいクラブだなと改めて実感しました」

 今季、柏レイソルから完全移籍で加入し、背番号9を託された。新体制発表会見では「僕の中で今年、大きなチャレンジをしようという年に決めていた」と述べ、相当な決意のもとに決断された移籍だった。チームの始動日から精力的にトレーニングをこなし、フィジカルテストでも能力の高さを見せていた矢先のアクシデントだった。

 1月23日、石垣島で行われていた1次キャンプの3日の練習中に負傷。検査の結果、左ひざ内側側副じん帯損傷で全治4〜6週間と診断された。その後はチームから離れて孤独なリハビリ生活に。アンジェ・ポステコグルー監督が掲げるアタッキングフットボールの成熟度が高まっていく様をピッチの外から眺めるしかなかった。

 別メニューで調整していたある日の練習後、大津は「焦りはないですよ」と話していた。それでも全体練習を終えたMF遠藤渓太とピッチ脇で話し込み、ウィンガーとしての動き方や求められるプレーを確認する日もあった。

 これまでも度々負傷で離脱した経験があるため、慎重にリハビリを進めてきた大津。ボールを使った練習を再開したのが受傷から約1ヶ月経った2月下旬で、全体練習に復帰したのは3月中旬。すべての練習を他の選手たちと同じように消化できるようになって、今月18日の浦和レッズ戦後は紅白戦で主力組に入るようになった。

 ポステコグルー監督が「起用するなら代表ウィークの後になると思う」と予告していたように、マリノスでのデビュー戦は31日の清水エスパルス戦となった。負傷してから約9週間が経過していた。

 起用されたのはトップ下。全体練習合流直後からウィングではなく中央のポジションに入って戦術練習をこなす姿も見られていたので「もしかしたら…」と感じていたところ、その予想がこの2週間ほどで確信に変わった。

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