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Jリーグ 6年前

広島が復活を遂げた要因。首位快走の原動力、共有する理想と現実のバランス

text by 青木務 photo by Getty Images for DAZN

相手の勢いをいなす術も身につけていきたい

 和田がクロスを上げる直前に工藤が安定したキープ力を示し、もう少し巻き戻すとパトリックも身体を張って相手からボールを守っている。それぞれ特徴は異なるが、味方から信頼を得ているという点で同じだろう。

 チームが日々成長していることを感じさせる先制点が決まり、最終的にはこれが決勝点となり広島は3ポイントを掴み取った。しかし城福監督は、後半のパフォーマンスには満足していない。

「前半に関して、非常にいい入りができたと思う。もっと早めに1点目が入ってもおかしくなかった。圧力をかけ続けて、我々が目指すアグレッシブな守備と奪ってからの自分たちのサッカーというのをある程度、具現化できたと思っている。ただ後半、少し相手に圧力をかけられて、自分たちの時間に取り戻す回数が少なかった。1-0で勝っているという意味で後ろに重心がかかるのはやむを得ないが、それにしても後半は相手の時間が長すぎたというところは課題なのかなと」

 積極的な姿勢でペースを握った前半、広島の選手たちはピッチの上で躍動した。ただ、かなり“飛ばしていた”のも確かだ。後半はPKを献上。守護神・林卓人のビッグセーブに救われたが、これが決まっていたら柏の勢いはさらに増していたかもしれない。また、試合終了間際にはクロスバー直撃のシュートも打たれた。

「前半のキックオフから見せたアグレッシブな姿勢はシーズンを通して続けていきたい」と述べた指揮官は、ゲームをコントロールすることの重要性を口にした。相手の勢いをいなすような術も今後、試合を重ねながら身につけていきたい。

 また、追加点を奪うチャンスを確実にモノにしたいところである。

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