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またも“日本のスタイル”はリセットか? 会長「確立されつつある」も堂々巡りは終わらず

text by 編集部 photo by Getty Images

田嶋幸三
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督解任を発表したJFAの田嶋幸三会長【写真:松岡健三郎】

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は9日、都内で会見を開き日本代表ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任を発表した。

 嶋会長は、数ある解任の理由の1つとして「最後までハリルホジッチ監督のチームをぐっと固まれるものにしたいと努力してきたが、残念ながら実現できなかった」とチームとしての完成度の面にも言及した。

 後任として発表された西野朗氏はどのようなチーム作りを進めるのか?

 田嶋会長は「まさに日本サッカーと言ってくれました。そこは一番大事にしなければいけない。もちろんこれまでやってきたことを全否定するつもりはないが、コレクティブに戦う選手たちの能力を出していける、日本らしいサッカーをしていきたい」と語った。

 さらに、「ハリル監督のやり方のようなものが必要なのもわかっている」とした上で、「日本らしいサッカーが確立されつつある中で、それを実行してほしい。日本らしいサッカーとはしっかりボールをつないでいくということ」と“原点回帰”とも取れる展望を示した。

 しかし、これまでも日本代表はフランス大会、日韓大会、ドイツ大会、南アフリカ大会、ブラジル大会と本大会を終える度に異なる志向の監督を招へいし、その都度チームの方向性がリセットされる堂々巡りを繰り返してきた。

 代表強化の継続性への懸念を指摘された際には「日本のスタイルを築き上げていると思う。いい方向に向かっている」と自信を見せたが、ピッチ上での成果は伴っていない。

 ワールドカップ本大会まで約2ヶ月というタイミングで指揮を任された西野朗氏は、短い期間でどのような指針を示すのか。緊急登板の格好となったが、本大会後の新監督の人選にも大きな影響を与える日本サッカー界の分岐点での就任といえるだろう。

【了】

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