なぜ横浜FMは「2点目が取れない」のか? ついに降格圏転落、脆さ抱える新スタイルの課題

2018年04月17日(Tue)11時10分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images for DAZN
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苦境を脱するために今、必要なこと

天野潤
天野純は現在のスタイルで結果が出ないことに「焦りはない」と強調する【写真:Getty Images for DAZN】

 とはいえポステコグルー監督に「1点を守りきる」という考えはない。これはシーズン開幕前から一貫している。だからこそ「2点目を奪う」ことが、現時点で最も重要なミッションに違いない。

 相手ゴール前に入る回数を増やすため、中盤の選手の動き方やスペースの突き方は徐々に変化してきた。神戸戦では天野純やダビド・バブンスキーが、ウィングをマークする相手サイドバックとFWをケアするセンターバックの間のスペースを積極的に狙って、守備を揺さぶろうとしていた。前半は特に効果が出ていて、ゴールにはならなかったものの、数的優位な局面を作り続け、チーム全体で決めなければいけないチャンスは少なくとも4つあった。

「あれだけチャンスを作れたのはポジティブなこと。僕自身はこのままやり続ければ絶対に間違いないと思います。逆にカウンターサッカーでこの順位だったら間違いなく危ないと思いますけど、あれだけ相手を圧倒できている中でのこの順位なら、焦りはまだないですね」

 天野は攻撃面の進歩に手応えを感じている。先制した後も同じテンポで攻め続けるため、逆に少しペースダウンして相手を焦らせながら追加点を狙った方がいいのでは…とヒヤヒヤする場面もあるが、複数得点を挙げるには、とにかく折れずに自分たちの意図するプレーを見せ続けなければならない。

 もう一つ意識すべきなのは、相手の立ち位置を動かすボールポゼッションだろうか。Jリーグ公式サイトに公開されているトラッキングデータを参照すると、神戸の最終ラインで走行距離が10kmを超えていたのは右サイドバックの高橋峻希のみ。翻ってマリノスは4バック全員が10km以上走っていた。

 また、スプリント回数にも差が出ている。マリノスの4バックは全員が11回以上を記録しており、最多は山中の28回。一方、神戸は両サイドバックこそ19回ずつのスプリントを記録したが、センターバックの渡部博文とチョン・ウヨンはそれぞれ8回と3回だった。

 マリノスのボールポゼッションは見た目には派手だが、実際に相手ディフェンスを揺さぶるまでには至っていない。相手のセンターバックの運動量が少なくなる傾向は前節のサンフレッチェ広島戦も、その前の川崎フロンターレ戦でも見られた。今後は試合の中でテンポを変えながら、相手ディフェンスが「おっと危ない」と感じて慌ててゴール前でポジションをズラさなければいけない状況を作るような工夫も必要だろう。そうやって不意に生まれたわずかなスペースが組織の綻びとなり、ゴールにつながる。

 16位に落ちたことで、チーム内の危機感はこれまで以上に強くなっているはず。18日のYBCルヴァンカップのFC東京戦、そして21日のJ1第9節湘南ベルマーレ戦は、ポステコグルー監督率いるマリノスが迎える最初の大きな山になる。この2試合が今季マリノスを占う上で重要な試金石だ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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