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日本代表 6年前

「イメージが分からない」。監督交代で暗転…浅野拓磨、W杯絶望的も復活懸けた己との戦い【日本代表当落線上の男たち】

シリーズ:日本代表当落線上の男たち text by 元川悦子 photo by Getty Images

「今の自分に足りないのは…」

「勝っている時はチームを変えない」というのはサッカーの定石。かつて清武弘嗣(C大阪)擁するハノーファーを1部残留へと導いた経験のある残留請負人としては、リスクを極力回避したいという思惑もあるだろう。実際、マリオ・ゴメスは結果を残しているし、ドイツ人同士のマリオ・ゴメスとギンチェクにはコミュニケーション面の問題もない。チーム状態が悪くならない限り、浅野の出番は巡ってきそうにない。非常に厳しいが、それが現実と言わざるを得ない。

「マリオは、言い方が悪いかもしれないけど、試合で消えていたとしても最後の仕事はする。FWに求められるのはゴールだと思うし、今の自分に足りないのはそこなので、やっぱり序列的になかなか勝てないのかなとは思います。

 頼られるFWというのは点を取れる選手。ドイツに来てからの自分は頼られる数字を残せていないのは事実で、そこはずっと危機感を持っているし、課題だとも思っています。すぐには結果を残すのは難しいけど、求め続けていかないといけない。FWは常にそこ(ゴール)の勝負なので、今、出ているマリオとダニエル(ギンチェク)はすごいFWだと感じています」と浅野自身もツインタワーへのリスペクトを素直に表していた。

 それでも、彼には「自分が出たら、攻めのバリエーションを広げられるを変えられる」という確信があるようだ。

「これまでの試合を見ていても、前線を走る回数っていうのは全然多くないなと思うんです。僕は外から見てたり、テレビで見てたり、ベンチで見てたりしていますけど、相手のスペースはそんなに生かせていないので、自分が出たらそこを生かすことしか考えていません。他の選手がそういうプレーに出さない分、僕がもしチャンスをもらったら、そこがアピールになると思う。他の選手にできない飛び出しの部分っていうのを、僕は絶対に出そうと思っています」と彼は語気を強める。

 コルクト監督は清武を重用した過去があるため、日本人を否定的に見たり、冷遇する指揮官ではないはず。今はシュトゥットガルトのツインタワーを重視する攻めがうまく機能しているため、浅野を使う場所が見つからないだけだろう。

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