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日本代表 6年前

「イメージが分からない」。監督交代で暗転…浅野拓磨、W杯絶望的も復活懸けた己との戦い【日本代表当落線上の男たち】

シリーズ:日本代表当落線上の男たち text by 元川悦子 photo by Getty Images

リーグ最終盤で巻き返しなるか。ロシア行きへの最後の希望とは

浅野拓磨
浅野拓磨(左)とハンネス・ヴォルフ前監督(右)の間には強い信頼関係があった【写真:Getty Images】

 とはいえ、残されたリーグ戦はわずか4試合。日本屈指のスピードスターがそこでチャンスを与えられるかどうかは全くの未知数だ。出番が巡ってくるにしても1回か2回ではないか。そこで強烈なインパクトを残し、ゴールに絡む仕事を示すことができれば、日本代表返り咲きの可能性も少なからず出てくる。

 今月9日に電撃解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ監督は日本代表における選手招集の基準を「試合に出なければ呼べない」と説明していたが、それは後を引き継ぐ西野朗代行監督も大きく変わらないはず。コンディション面で不安のある選手をロシアの大舞台に連れていくわけにはいかないからだ。それゆえ、どういう形でもいいからピッチに立つこと。それを実現することが、浅野のワールドカップ最終メンバー滑り込みの絶対条件と言っていい。

 浅野にとって追い風なのは、日本代表の右FW陣の現状が芳しいとは言えないこと。3月のマリ戦とウクライナ戦(リエージュ)では久保と本田が使われたが、揃って結果を残せなかった。久保の方はクラブでの出番も減りつつあり、2ゴール3アシストと爆発した1年前のワールドカップアジア最終予選、UAE戦(アルアイン)とタイ戦(埼玉)のような鋭さが影を潜めている。

 本田にしても、半年前のワールドカップ最終予選・サウジアラビア戦(ジェッダ)の低調な動きからは脱したが、ゴールという結果は残せていない。ゴールへの突進力を持つ浅野はここ一番のところで仕事のできる選手。先発でもジョーカーでも使い道がある。そういう観点を踏まえると、彼にはまだロシア行きの可能性が残っているのだ。

「苦しい時にどれだけやり続けることが大事だと僕は思っています。1日1日の練習でも『見せるんだ』って気持ちで常にやってますし、チャンスが来た時にそれをモノにできるような準備を続けていくしかないって気持ちで今はやってます。もちろん運もありますけど、その運が自分の味方となって転がってくるように、今はホントにやり続けるしかないと思います」

 こう自分に言い聞かせ、地道な努力を続ける日本屈指のスピードスターに光明が差し込むのか。浅野拓磨のシーズン終盤戦での復調を期待して見守りたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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