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“バケモン”サラー、躍動の理由。ゲーゲンプレスがより凶悪に。リバプールが突いたローマの盲点

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

バルサ戦を思い起こさせる終盤の2点

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モハメド・サラーにとってローマは古巣。イタリアでもファンのアイドルだった【写真:Getty Images】

 さらにエウセビオ・ディ・フランチェスコ監督にとって、リバプールが3バックの攻略を研究してきたことは想定内だったのだろうか。ボールを奪われれば両翼が戻り、5-4-1で守備ブロックを形成するのがローマの守備だ。

 だが前述の通りゲーゲンプレスによって高い位置からボールを奪われると、守備を整える時間が与えられない。攻撃的なコラロフの裏を突かれ、哀れなファン・ジェズスはサラーとの1対1を強いられた。

 インテル時代にローマと対戦したロベルト・マンチーニ監督(現ゼニト)は、4バックを敷きつつサラーに長友を貼り付けてスペースを封じた。今回のようにアウトサイドが無防備なら、サラーのような選手には対処のしようがないというものである。

 もっともそのリバプールも、5点のリードを奪ってからは足を止めた。それに乗じて2点を返せたことは、ローマにとっては良かった。バルセロナ戦第2レグの再現と行きたいところではあるが、なすすべのなかったゲーゲンプレスとサラー対策が必須となる。

「まだ終わっていない。それは以前にも示した。信じない者は家にいてもらって構わない」

 ディ・フランチェスコ監督は試合後の記者会見でそう語ったが、果たしてどんな修正をしてくるのだろうか。

(文:神尾光臣)

【了】

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