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Jリーグ 6年前

マリノスの「伝統」と「革新」の象徴として。18歳のルーキー・山田康太の大いなる可能性

text by 舩木渉 photo by Getty Images for DAZN

生え抜きの18歳が「革新」の象徴となるか

山田康太
リーグ戦デビューを飾ったことで自信を深めた山田康太は、その視線の先に何を見据えるのか【写真:Getty Images for DAZN】

 小学生の頃からマリノスで育ち、クラブの「伝統」を知る身として。そしてアンジェ・ポステコグルー監督が進める「革新」を象徴する、新たなサイドバックの役割を務められる選手として。18歳の若者が「伝統」と「革新」の融合を象徴する存在になろうとしている。

 選手としては、自らが憧れるレアル・マドリーのMFルカ・モドリッチと、MFからDFへのコンバートで飛躍を遂げたバイエルン・ミュンヘンのDFヨシュア・キミッヒを掛け合わせたような、全く新しいタイプになれるポテンシャルを秘めている。

 サイドバックを始めて1ヶ月半。「今のやり方なら、右サイドバックでもいい」とポジティブ思考は変わらず、「(DFとして)軽いプレーはできないし、ゴール前の最後の局面で体を張ることも、もう体に染みついていると思う。そういう意味では今後に役立つかなと思っています。守備の意識とか、責任感というところで、最終ラインから見える景色もわかったし。自分の選手としての幅を広げられる」と、最終ラインの選手としての自覚も生まれてきた。

 課題になるかと思われていたフィジカル面も「(鹿島とやっても)そんなに足にきていない」と自主トレーニングで鍛えた成果が出始めたことを実感している。プロA契約の締結(公式戦450分以上出場)という今季の目標の達成も現実味を帯びてきた。

 山田の頭の中には「もっとインサイドを取ってボールを受けて、相手が食いついたら(サイドに)はたいてとやっていれば、監督の理想としているサッカーにもっと近づけると思っているし、力になれると自分は思っている」と、サイドバックとして活躍するイメージも具体的に描けている。

 マリノスの「伝統」と「革新」を象徴するプレーヤーとして、生え抜きの18歳・山田康太がブレイクスルーの時を迎えようとしている。レギュラー争いにはしっかりと食い込むことができており、ポステコグルー体制で影のキープレイヤーになっていくかもしれない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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