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代表 6年前

“コロンビアのロナウド”、ムリエル。その潜在能力が解き放たれた時、日本最大の脅威に【W杯 日本を襲う猛獣たち】

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 神尾光臣 photo by Getty Images

インテル、ローマ…強豪相手にセンセーション

 コロンビアはアトランティコ県の、サント・トマスという街の出身。少年時代は得点力の高いストライカーとして高い評価を受け、デポルティーボ・カリのユースチームに所属していた。

 2008年にはUー18リーグで29得点を挙げて得点王になった。その間ロナウドに影響を受けた彼は徐々にスピードも開花させ、トップチームに引き上げられると2010年のコロンビア・プリメーラの前期でブレイクを果たした。

 3月6日のオンセ・カルダス戦でハットトリックを挙げたのを皮切りに、11試合出場9ゴールを記録、5アシストも達成している。19歳にしてアンタッチャブルな存在となった彼は、やはり欧州クラブの注目を受ける。そしてここでもウディネーゼが獲得レースに先行し、同年の6月22日に移籍が決まった。

 もっとも当時のウディネーゼの前線には、アントニオ・ディ・ナターレにアレクシス・サンチェス、ヘルマン・デニスにベルナルド・コッラーディと分厚いラインナップができていた。そのため彼らは、ムリエルを別のクラブで”修行”させるという育成戦略をとった。

 まずは2010年7月から、配下に置いていたグラナダで1年間プレイをさせる。次に1年後の2011年8月31日、クアドラードとともにレッチェにレンタルで移籍をさせた。そして前述の通り、ムリエルはここでセンセーションを巻き起こした。

 リーグ戦には10月16日、第7戦のジェノア戦でデビュー。そして第14節のナポリ戦で初ゴールを挙げると、そこから目覚ましい活躍を遂げた。爆発力のあるドリブル突破は、堅いセリエAクラブの守備陣相手にも通用する。

 サン・シーロではインテル相手にワルテル・サムエルやルシオをぶち抜いてゴールを決め、その後の試合では得点のみならずアシストでも貢献を果たす。特に第31節のローマ戦では、2ゴールを奪うのみならずPKに繋がるファウルも獲得するなど、4-2の勝利に貢献した。市場価値は高騰し、ウディネーゼは翌シーズンに彼を呼び戻すとともに契約延長を決めた。

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