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“コロンビアのロナウド”、ムリエル。その潜在能力が解き放たれた時、日本最大の脅威に【W杯 日本を襲う猛獣たち】

1か月後に迫ったロシアワールドカップ。日本はグループHでコロンビア、セネガル、ポーランドの3か国と激突する。本大会へ向け改めて確認しておきたいのは対戦国の要注意人物達だ。フットボールチャンネルでは日本と対戦する3か国の“猛獣”たちを紹介していきたい。今回はコロンビア代表のルイス・ムリエルを取り上げる。(文:神尾光臣【イタリア】)

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 神尾光臣 photo by Getty Images

元祖フェノーメノ、ロナウドを彷彿とさせる

ルイス・ムリエル
コロンビア代表のルイス・ムリエル【写真:Getty Images】

「ムリエルはフェノーメノ(怪物)だ。ただこれは、自分が今まで指導してきた選手の中で一番強力だという意味ではない。もっとも潜在能力のある選手ということだ。クアドラードは素晴らしかった。だが、本当の怪物は彼だと思う」

 2011-12シーズン、ルイス・ムリエルはレッチェにいた。ウディネーゼに所属していた彼はファン・ギジェルモ・クアドラードとともにレンタル移籍をし、セルセ・コズミ監督の薫陶を受けてリーグで頭角を現していた。

 冒頭のセリフはコズミによるムリエルの評価である。のちにフィオレンティーナやチェルシー、ユベントスへステップアップを図るクアドラードよりも、その潜在能力は高く評価されていた。

確かにそのプレイぶりは、当時からスケールの大きさを感じさせるものだった。なにせ、イタリア人がかつて目撃した『フェノーメノ』と良く似ていたのだ。インテルやミランでプレイをした、ロナウドのことだ。

 強靭なダッシュで一気にトップスピードに乗りながら、軽やかなボールタッチで自由自在に緩急をつけるドリブル突破には、誰もがブラジル代表の名ストライカーの姿を重ねた。

 イタリア国内のビッグクラブのみならず、海外のメガクラブからの興味も引いたムリエル。もっともその後のキャリアは順風満帆とはいえず、潜在能力を発揮できずにいたのだが、この1、2年で急成長。攻撃陣にタレントが揃うコロンビア代表にもコンスタントに招集され、3月のフランス戦ではゴールを挙げた。

 高い才能には誰もが疑いの余地を挟まなかった高速のストライカーは、ロシアW杯で飛躍する準備を整えている。

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