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日本代表 6年前

情報はオープン、練習場にファン殺到。選手と意見交換も活発に。西野流マネジメントは吉か凶か

情報は非公開でファンとの距離も遠くなり、「選手とのコミュニケーションや信頼関係」という理由で解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ監督。後を継いだ西野朗監督は、情報をオープンにしてファンとの距離を近づけた。さらに日本人コーチ陣とのコミュニケーションは円滑で選手も好影響を口にしているが…。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

練習開始前ながら、駐車場は満車に

日本代表
日本代表のトレーニングはほとんどがファンにも公開される形で行われていた【写真:Getty Images】

 豪快なシュートがゴールネットを揺らすたびに、ピッチを取り巻くいたる場所から歓声と拍手がわきあがる。名前を連呼された選手がおもむろにスタンドを見上げて、感謝の思いを込めながら手を振って応える。日本代表合宿を取り巻く光景がガラリと変わった。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督時代は、非公開となる場合がほとんどを占めた。ピッチの内外で厳格だった前指揮官の電撃解任を受けて、慌ただしく発足した西野ジャパンでは一転して、メディアだけでなくファンやサポーターにも全面的に公開された。

 日本サッカー協会(JFA)の公式ホームページを見れば、ガーナ代表を日産スタジアムに迎える5月30日のワールドカップ壮行試合へ向けて、同21日からスタートした日本代表合宿の練習場が、千葉県習志野市の「第一カッターフィールド(秋津サッカー場)」と明示されている。

 口コミなども手伝い、西野ジャパンの初めての活動となった今合宿には時間の経過とともに数多くのファンやサポーターが駆けつけるようになった。特に土日と重なった26日と27日には親子連れが目立ち、練習開始を前に隣接する駐車場が早々に満車となるほどの盛況ぶりを見せた。

「僕としては、非常にやりづらかったですね」

 思わず苦笑いを浮かべたのはDF吉田麻也(サウサンプトン)だ。ハリルホジッチ氏を含めた歴代の日本代表監督が行ってきた非公開練習には、情報が漏れるのを防ぐためだけではなく、練習中における独特の緊張感を持続させる意味合いも込められていた。

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