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日本代表 6年前

情報はオープン、練習場にファン殺到。選手と意見交換も活発に。西野流マネジメントは吉か凶か

text by 藤江直人 photo by Getty Images

練習中に頻繁なディスカッションも

西野朗
西野朗監督率いる日本代表は以前よりもコミュニケーションが活発になっている【写真:Getty Images】

 特に3バックを習熟させるメニューでは頻繁に中断されては、近くにいる選手たち同士が真剣な表情で言葉を交わすシーンが目立った。給水時など、ほんのわずかな時間も惜しいとばかりに、ピッチの至るところでああだ、こうだと身振り手振りで話し合いがもたれている。

 当然ながら、3バックで戦うチームを一緒くたにはできない。基本形の〔3‐4‐2‐1〕が攻撃時に〔4‐1‐5〕へ、守備時には〔5‐4‐1〕に様変わりする、いわゆる「可変システム」で長く戦ってきたDF槙野智章(浦和レッズ)は、歓迎すべき変化だと笑顔で振り返っている。

「ポジションの近い選手たちが集まって、自然と話し合えていたのはすごくポジティブなことだと思います。僕みたいに特殊な3バックをやっている選手もいれば、オーソドックスなやり方の選手もいる。みんなのやり方が違うと思いますので、しっかりと意思の疎通を図ることが大事ですよね。いっぱい失敗して、たくさんの課題が見つかることは非常にいいことだと思っています」

 ハリルホジッチ前監督が課した練習では、指揮官から伝えられたメニューや指示を黙々と消化する時間が続いた。通訳を介する分だけ、ちょっとしたニュアンスも違ってくるかもしれない。疑問に感じることも少なくないが、選手同士で話し合いを始めればすぐにストップがかけられた。

「練習のなかでディスカッションする時間が増えているというのは、いままではハリルホジッチさんが話しているときには制限されてきたことを考えれば、そういうストレスがなくなったという意味では大きな変化だと思っています」

 問題が生じれば、その場で解決できることのメリットを槙野が説いた。そして、西野監督をはじめ、手倉森誠、森保一両コーチを介して日本語で選手たちへ密にフィードバックがあり、選手たちからも忌憚なく意見を伝えられる環境を歓迎したのは吉田だ。

「一番大きく変わったのは一方的にやり方を聞いて、それをトライするだけではなくて、双方の意見を取り入れつつ、ディスカッションしながら作り上げていく部分だと思います。時間がないから、それこそ食事会場などでも話がでることもありますけど、そういう話し合いをもつことで、それぞれが共通理解をもつことは非常に大事なことだと思っています」

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