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トップ下・本田圭佑が日本を縛る。現代サッカーの潮流に逆行…スイス戦で見えた限界

text by 編集部 photo by Getty Images

本田圭佑
本田圭佑の「トップ下」は時代の流れに逆行しているよう。日本代表が向かう先は…【写真:Getty Images】

 日本代表は現地時間8日、国際親善試合でスイス代表に0-2で敗れた。FIFAランキングで61位と6位の歴然たる実力差を見せつけられた。

 この試合で、日本は4バックを採用した。先月30日のガーナ戦で西野朗監督は3-4-2-1を導入したが結果につながらず、慣れ親しんだ4バックに戻してトップ下を置く4-2-3-1で戦うことをんだ。

 トップ下に入ったのは本田圭佑だった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のもとでは右ウィングとして起用されることの多かった背番号4は、サムライブルーのユニフォームをまとって約4年ぶりに“本職”と言えるポジションに入った。

 ところが、そこで見えてきたのは「限界」だった。現代サッカーでは重要性が語られることの減ってしまったトップ下は、日本代表を縛る厄介な存在になってしまうかもしれない。

 スイス戦での本田は、チームディフェンスの一部として動くだけでなく、相手のキーマンであるグラニト・ジャカを常にケアする役目を担っていた。しかし、そのマークに気づいて徐々にポジションを変えながら変幻自在に動くジャカを封じ切ることはできなかった。

 本田が入ったポジションは、縦にも横にも機動性や運動量が求められ、守備では相手の攻撃の起点となる選手を抑えなければならない。彼はその要求に対応できなかった。どうしてもモビリティに欠けるのである。時にプレスバックが遅れて中盤に大きなスペースを空けてしまっていた。

 それは攻撃面にも影響した。中央に陣取ってはいるものの、プレーエリアが狭いため動き回って常にボールに絡み続けることは難しい。パスを受けても必要以上にタメてしまうため、カウンターで素早くゴール前までボールを運びたくても本田のところでスタックしてしまう。

 武器としてキープ力が挙げられることもあるが、もはやワールドカップのレベルでは厳しいか。後ろからボールを受け、素早くターンして、自分よりも前にいる味方に正確なパスを通してゴールへ向かうスピードを上げるようなプレーも、元より選択肢にない。

 例えば、かつてのファン・ロマン・リケルメのような「トップ下」というポジションは、現代サッカーにおいてほぼ消えた。1人の選手に合わせて味方が動くようなサッカーは、11人が常に連動してゴールに向かうプロセスを効率化していくサッカーに淘汰されつつある。

 もしも「トップ下」という明確な役割が存在し続け、日本代表においてそのポジションに本田が座ったままになるようであれば、日本サッカーは世界の潮流から大きく取り残されたままになってしまう。

 本田以外の10人が、本田のために動き、それぞれが1人以上の働きをして本田中心のチームを成立させるなら話は別だが、今のままでは時代の流れの中で身動きがとれないよう縛られているようだ。

 西野監督は「ワールドカップで勝つ確率を1%でも2%でも上げる」ために就任したはず。そうであれば、相手から対策されやすい非常にオーソドックスな4-2-3-1の「トップ下」に本田を起用するのは、余計なリスクを背負うだけの愚かな決断だろう。

【了】

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