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代表 6年前

韓国を揺るがず衝撃の敗戦も…実情は必然の敗戦。指揮官の「トリック」失敗で誤算だらけに【ロシアW杯】

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

勝ち点3を計算していたが…

 スウェーデンは勝たなければならない相手だった。前日、メキシコが見事なカウンターで前回大会王者のドイツに完封勝利を収めていた。メキシコは韓国が勝ち点3を計算していた相手だっただけに、この初戦が重要になってきた。スウェーデンに勝たねば、グループリーグの残り2試合での勝利はもちろん、目標としているベスト16進出も厳しくなる。

 開始早々、スウェーデンに勝てるかもしれないという期待が膨らんだ。サイドや中盤でボールポゼッションを高めながらキム・シンウクの頭を狙う。3本のクロスが全て背番号9の頭にデリバリーされた。ボールポゼッションは7対3で、韓国が上回る。少しの可能性を思わせるような、「もしかして」という希望が生まれる時間だった。

 しかし、相手はあのイタリアをプレーオフで蹴落としたスウェーデン。ズラタン・イブラヒモビッチがいなくても、強靭なフィジカルを活かしたプレーは簡単に克服できるものではない。スウェーデンがディフェンスラインを少しずつ上げてきた。

 強いフィジカルに押されたか、韓国はこれに合わせてディフェンスラインを下げる。ウィングのソン・フンミンやファン・ヒチャンも守備に力を注ぐ。ボールポゼッション率も逆転し、スウェーデンが後ろからの縦パスを入れてくるシーンが多く作られるようになった。

 韓国の守備陣も相手の出方に対策を練っていた。チャン・ヒョンスやキム・ヨングォンのセンターバックコンビがしのぐ。大会直前まで第3GK候補だったが、ワールドカップ本番でいきなりゴールマウスを守ることになったチョ・ヒョヌもスーパーセーブを連発する。

 前半、ペナルティエリア内でマルクス・ベリーのシュートを感覚的に封じた場面はこの試合のベストシーンといっても遜色なかった。前半は0-0。27分、パク・チュホが肉離れでピッチから退き、キム・ミヌがいきなり投入される危機もあったが、守備に問題はなかった。枠内シュート0本は気の毒だったが、極端に守備的な中でシュートがないのは納得できる。

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