イニエスタの代表引退とスペイン敗退が示すポゼッションサッカーの限界。激闘は時代の終着点【ロシアW杯】

2018年07月02日(Mon)9時00分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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イニエスタ投入で巻き返すも…

 しかし、前半41分、スペインにとって最悪の展開が待っていた。CKを防ごうとしたジェラール・ピケがペナルティエリア内で痛恨のハンドを取られたのである。VARで確認するまでもなく、明らかに手に当たっていた。これをジューバに決められ、前半のうちに同点に追いつかれた。今大会、セットプレーからの失点が多いスペインの課題がここでも浮き彫りとなってしまった。

 前半、スペインは支配率72%を記録しながらシュートはわずか3本。それに対しロシアは支配率28%ながらもシュートを5本放ったのである。無敵艦隊はボールをキープしながらも後手に回っていたのだ。

 後半が開始して間もなくは、試合展開に大きな違いはなかった。しかし、67分にイニエスタがピッチ入った途端、流れは一気にスペインに押し寄せた。

 背番号6はロシアの中盤とDFの間にうまく入り込み、縦パスを呼び込んだ。特に、果敢な攻撃参加で前線に厚みを加えたジョルディ・アルバ、細かいタッチとキレのあるドリブルでチャンメイクしていたイスコがいる左サイドから重点的に相手を崩しにかかっていた。そこにイニエスタが加わると、素早いテンポでボールが回る。スペインは、徐々に決定機を作り出していた。

 だが無敵艦隊は後半、支配率74%、シュート数も13本まで増やしたにも関わらず、ゴールに結びつけることができなかった。1-1のまま、今大会初の延長戦へ突入することになる。

 ここまで来れば、ロシアとしてはPK戦まで持っていくことが一つの目標となっていた。そうすれば自分たちにも勝機がある。そういった狙いを前面に押し出しながら進んでいった延長戦の30分間は、ロシアに軍配があがった。スペインは最後まで相手ゴールをこじ開けられなかったのである。

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