ポーランド戦80分間に凝縮された指揮官の誤算と日本代表の限界【検証・西野J<1>/ロシアW杯】

2018年07月06日(Fri)11時00分配信

シリーズ:検証・西野J
text by 植田路生 photo Getty Images
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痛かった今野と青山の離脱。ベルギー戦に影響した酒井と柴崎のフル出場

青山敏弘
青山の代表離脱は大きな痛手だった【写真:Getty Images】

 2つ目の誤算は岡崎慎司の負傷だ。ポーランド戦で先発した岡崎は後半早々に負傷により大迫勇也との交代を余儀なくされる。ベルギー戦までに岡崎の状態が100%に戻ることはなく、西野監督は貴重な駒を1つ失った。

 3つ目の誤算は柴崎岳と酒井宏樹を引っ張らざるを得なかったことだ。失点したことで彼らを休ませることができなくなり、疲労は蓄積した。もし柴崎を交代させることができれば、ベルギー戦でも最後まで使えたかもしれない。「点をとりにいく」と判断したベルギー戦で、疲弊した柴崎を残しておくことができなくなった。

 また、酒井の疲労もじわじわと影響を及ぼす。ベルギー戦で酒井はカラスコ、アザールを相手に十分すぎる対応を見せていた。だが、ハイレベルの2人を相手にするとさすがの酒井も無理が出てくる。ベルギーのマルティネス監督はそこを見抜いており、後半途中でカラスコに代えてシャドリを入れた。その後、酒井は後手の対応を強いられる。

 さらに、忘れてならないのが大会前に今野泰幸と青山敏弘が負傷離脱したことだ。これも4つ目の誤算と言える。

今野は大会を通じてコンスタントに出場するのは難しかっただろうが、ピンポイントでタスクを与えれば忠実にこなすことができる。ワールドカップアジア最終予選のUAE戦がまさにそうだ。今野の離脱は「守備固め」のオプション作りをより難しいものにした。

 青山への西野監督からの期待値は非常に高かった。3バックの一角、ボランチとしてなどさまざまなポジションをこなす青山がいれば、また違った戦い方を構築できる可能性もあった。とりわけ、柴崎のサブとなれれば、彼があそこまで疲弊することもなかっただろう。

 大島僚太はコンディションに問題ないはずが、一度も起用されなかった。そうなると理由は1つ。能力的に足りなかったためだ。Jリーグ所属選手のうち世界レベルで戦えたのは昌子源のみ。この現実は重い。

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