クルトワは何かと興味深い存在。淡々とこなすビッグプレー、“セーブ王”の真骨頂とは【西部の目/ロシアW杯】

 エデン・アザール、ケビン・デ・ブルイネ、ロメル・ルカクらを擁するベルギーにあって、GKティボー・クルトワも黄金世代の1人として欠かせない選手だ。驚くべきプレーを簡単にやってのける世界最高峰の守護神にして、ベスト4進出の立役者はチームを3位に導くことができるか。(文:西部謙司)

2018年07月14日(Sat)11時20分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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ブラジル戦は本当に作戦勝ちだったか?

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ティボー・クルトワ【写真:Getty Images】

 準々決勝ブラジル戦に2-1でベルギーが勝利した試合は、今大会のハイライトの1つだった。分析と作戦がもたらした勝利として、ドイツを破ったメキシコとともにベルギーも語り継がれるに違いない。

 けれども、ベルギーは本当に作戦でブラジルに勝ったのだろうか?

 ロメル・ルカクとエデン・アザールがサイドに張り、ケビン・デ・ブルイネが偽CFとして振る舞う。さらに3-3の守備ブロックに右サイドのトーマス・ムニエが下りてきてプラス1の4バックという変則。この奇策にブラジルが戸惑ったのは間違いない。

 だが、後半のブラジルは落ち着きを取り戻し、レナト・アウグストの得点で2-1と1点差に迫っている。ベルギーのカウンターも食らったとはいえ、後半に関してはチャンスの数でも攻め込みでもブラジルが圧倒していた。しかも、ベルギーの奇策に何か手を打ったという形跡もない。ブラジルは前半同様のいわば「自分たちのサッカー」を押し通し、それで形勢を逆転させていた。

 右で待機してカウンター要員となっていたルカクは得意の形を与えられながら、1対1の戦いでミランダに抑えられていた。左のアザールはファグネルに対して圧倒的な優位性を示していたが、後半のベルギーに残っていた作戦効果といえばほぼこれだけなのだ。

 ベルギーは作戦でブラジルに壊滅的な打撃を与えたわけではなく、せいぜい45分間戸惑わせた程度といえる。ブラジルに前半を空費させたことが勝利につながったという意味では作戦勝ちなのだが、FIFAが分析しているような画期的な傾向といえるかというとやや疑問が残る。

 むしろブラジルが勝ち損なった試合であり、ネイマール、コウチーニョ、ドウグラス・コスタのシュートを止めまくったGKティボー・クルトワが勝利の立役者だったのではないだろうか。

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